元オタクが語るオタクの歴史

1980年代後半生まれで中学生からずっとオタクでした。ですが少し前に思う所あってオタク…

元オタクが語るオタクの歴史

1980年代後半生まれで中学生からずっとオタクでした。ですが少し前に思う所あってオタクを引退しました。私がこれまで見てきたオタクの歴史を新しい世代のオタクに書き残すため、このnoteを開設しました。よろしく。

最近の記事

アニメ映画ってオタクによるオタクの物だと思われがちだけど、実際には「窓際のトットちゃん」「漁港の肉子ちゃん」あるいは「若おかみは小学生!」みたいに、定期的に非・オタクの文脈から良作が出てくるよね。

    • 『ハリウッド映画の終焉』(宇野維正) ハリウッドの終わりと世界オタク時代の始まり

       こんばんは。今日は宇野維正・著『ハリウッド映画の終焉』(2023年・集英社新書)を読みました。  ここ数年、自分でも映画館の上映スケジュールを調べる度に「全然見たい映画が無いな」と疑問に思っていたんです。それで私は何となく「最近アニメ映画が強いから配給が邦画中心になっているのかな?」程度に思っていたのですが、この本を読んでハリウッド映画界が想像以上にとんでもない事になっている事がわかりました。 ・製作本数も観客動員数も半減。 ・ME TOO とキャンセルカルチャーにより、

      • 1937年のディズニーの「白雪姫」で一つの頂点を迎えたフルカラーアニメの歴史が、87年経って最終的に「悪役令嬢ものアニメ」を作って終わるなんて、歴史は皮肉が効きすぎてるよ

        • アニメ映画は横ばいの80年間だった

           今日は映画の歴史について改めて気づいた事があるんですよ。  それは、そういえばアニメってもう90年近い歴史があったんだという事。  ある意味マンガよりも歴史が長い。  世界最古のアニメ映画は、パラパラ漫画とかフェナキストスコープみたいな物を除くと1908年の「ファンタスマゴリー」だそうです。(もちろん「愉快な百面相」とか徐々に進化していった中の一つの区切りですが。)  それで1914年の「恐竜ガーティ」、1915年に実写の「國民の創生」、1927年に実写の「メトロポリス

        アニメ映画ってオタクによるオタクの物だと思われがちだけど、実際には「窓際のトットちゃん」「漁港の肉子ちゃん」あるいは「若おかみは小学生!」みたいに、定期的に非・オタクの文脈から良作が出てくるよね。

          【提案】古い漫画は100円で電子書籍で売ってほしい

           今回の記事はタイトルが全てです。「古い漫画は100円で電子書籍で売ってほしい」。なぜこのような突拍子もない事を私は主張するのか、以下にその理由を書きます。 ①値段と価値のギャップ  昔のマンガが電子書籍化される時、普通その価格は新刊発売時の定価です。  これって一歩引いて考えるとおかしくないですか?5年10年以上前に刊行された無名漫画家のマイナー作品の場合、ブックオフなら110円の棚で売ってます。紙質もブックオフならそれほど悪くない。でも電子書籍の場合は電子データで紙その

          【提案】古い漫画は100円で電子書籍で売ってほしい

          70〜90年代の文化は、時代は過去だが若い社会で若い人が作った文化。 現在の文化は、時代は新しいが老いた社会で老いた人が作った文化。 日本の大衆芸術はねじれている。

          70〜90年代の文化は、時代は過去だが若い社会で若い人が作った文化。 現在の文化は、時代は新しいが老いた社会で老いた人が作った文化。 日本の大衆芸術はねじれている。

          なぜ老害は偉そうなのか ~古い作品と新しい作品、どっちが上?~

           今回は「なぜ老害オタクは偉そうに最近の○○はダメになったとすぐ言うのか問題」を分析します。30代後半の私は、もはや60代にさしかかったオタク第一世代にとっては若造ですし、10代オタクにとってはとんでもないオッサンです。そんな中間地点の年齢の立場から、双方の意見を尊重しつつ「古い作品と新しい作品、結局どっちが優れているのか」をジャッジしていこうと思います。 ・新しい物は良い  そもそも若者にとっては「古い物の方が良い」とか言う主張自体が意味不明だと思います。スマホや自動車は

          なぜ老害は偉そうなのか ~古い作品と新しい作品、どっちが上?~

          フリーゲームとインディーゲームについて考えて思ったんだが、誰かを「楽しませよう」「笑わせよう」と思って創作すると良い結果を招きがちだが、「感動させよう」と思って創作すると良くない結果を招きがちなようだ。

          フリーゲームとインディーゲームについて考えて思ったんだが、誰かを「楽しませよう」「笑わせよう」と思って創作すると良い結果を招きがちだが、「感動させよう」と思って創作すると良くない結果を招きがちなようだ。

          【短文】フリーゲームの落日

           前回の記事を書いた後、記事の誤りや認識違いをチェックするためにいくつかインタビューやブログ記事を漁りました。相当な分量があるので、自作ゲームに興味があってお暇な方は以下の記事を読んでみてください。

          【短文】フリーゲームの落日

          RPGツクールとフリーゲームと同人ゲームについて

           90年代のスーパーファミコン時代はRPGが圧倒的人気ジャンルだった。当時の子供達は皆「自分もRPGを作りたい」と夢見た。その夢を叶えたのが、アスキーが1995年に発売したRPGツクールだった(初代はMSXだそうだがwikiの丸写しになるのでもっと主観的な話を書いていく)。   RPGツクールとは自分でテキストを入力してマップを配置するだけで誰でも自分だけのRPGを作れるゲーム製作ソフトだ。人気が出たようでツクール2・ツクール3と続編が出て行ったが、もちろんスーパーファミコン

          RPGツクールとフリーゲームと同人ゲームについて

          2024年の秋葉原の現状

           先日、私は現在のオタクについて調べるため東京に遠征に行ってきました。前回の池袋編に引き続き今回は秋葉原編をお届けします。 ↑今回はタウンガイドを参考にして読んでもらう良いかもしれません。 ・秋葉原の美味しいラーメン屋  まずはグルメ情報から。秋葉原の「王道家直系 IEKEI TOKYO」というラーメン屋に行きました。15人ほど並んでいる人気店でしたが、スープがかなり塩辛くて驚きました。塩辛いだけでなくコクもあり、チャーシューも燻製されていて美味しかったのは確かなものの「

          オタクと乙女ロード ~不思議な不思議な池袋~

          不思議な不思議な池袋 オタクショップに女だけ 高くそびえるアニメイト ケーーーブケーブケーブケーブックス  という訳で、今回は池袋のオタク街に行ってきた報告をします。 ・ミカドとME TOKYO IKEBUKURO  ミカドは高田馬場と池袋東口で営業しているゲームセンターです。90年代のアーケードゲームが大量に稼働していて、ゲーム大会が定期的に開催される、ゲーマーの聖地と呼ばれるです。でも本店は高田馬場らしく池袋店は2018年に出来たそうです。3階建てで置いてあるレトロゲ

          オタクと乙女ロード ~不思議な不思議な池袋~

          MBTIについてオタク的に考察してみた

          <第一部 MBTIって何だろう>  こんばんは。最近私の中でマイヤーズ=ブリッグス・タイプ指標(MBTI)という性格診断がマイブームです。16Personalitiesで性格診断をしてみたり、イブリースさんのnoteを読んだり、アニメキャラのMBTIを妄想したりしています。MBTIはBTSのような韓流アイドル系がブームの元らしくオタク史・文化史的にも興味深いです。そういうわけで今回は「いろんなオタクをMBTIの観点から分けてみたらどうなるだろう」と思って記事を書いてみました。

          MBTIについてオタク的に考察してみた

          オタク文化と就職氷河期世代

           私はこれまでオタク史を調べていて、体感的に「オタク文化と就職氷河期世代には何かつながりがあるな」と思う事が多々ありました。これは空気感のような物なので、今後はそのニュアンスが失われていくだろうと思われます。ですので、今回は就職氷河期世代がオタクに与えた影響を考えていきたいと思います。  まず、就職氷河期世代とは1993年~2005年に社会に出た世代で「ロスジェネ世代」「団塊ジュニア」とも呼ばれます。この世代は高校・大学の卒業直前にバブル景気が崩壊したため反動で求人倍率が非

          オタク文化と就職氷河期世代

          英語の「justice」って「正義」という意味じゃなくて「公平」「正当」「司法」って意味なんだ

          英語の「justice」って「正義」という意味じゃなくて「公平」「正当」「司法」って意味なんだ

          「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」の興行収入は13億。「劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」は112億。全世界で200億。 ステレオタイプな男性オタクはイメージ以上に存在感が薄れている。ウマ娘は衰退期に入っているようだ。

          「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」の興行収入は13億。「劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」は112億。全世界で200億。 ステレオタイプな男性オタクはイメージ以上に存在感が薄れている。ウマ娘は衰退期に入っているようだ。