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Fire in the Hole!の和訳が大変だった話

※和訳ルール、カード訳の配布は行っておりません

ちょっとクセのある和訳をする必要があったので、愚痴を兼ねて備忘録的にまとめておきます

そもそものルールが読みにくい

ルーリングの文とフレーバーの文が混在するタイプ

フレーバーだけ斜体にするとかボールドで書くとかもなく、普通に併記されておりました
このタイプのルールは、日本語でも大事な所を見落としてしまいやすいので要注意ですね

用紙のレイアウトも独特……

6つ折りの用紙で、紙に引かれている矢印(というか点線)を辿りながら読むタイプ。
フォントは大きめだけど読みにくさを生んでいます

迫り来る海賊語

コレが今回の作業の難関でした。
読み慣れない書式に度重なる追加調査……
また、自動翻訳はこの辺り弱かったりします。

全ての文で2人称がye

自分はこの調査で初めて知ったんですが、「海賊的な喋り言葉」のテンプレートの一つらしいです。
なお、古典英語でも使うので、自動翻訳に突っ込むと「汝」になったりします。
ちょっと荒っぽい口調と思われますので、「お前」辺りでしょうか。
ルール部のテキストまで口語調にしたくなかったので、今回は訳に取り込むのは諦めました

カーーード置き場

カードパイルとディスカードパイルのスペルにrが多くなっています。
海賊語のアー(Arrrr)由来と思われるけど、訳には入れにくいですね。
カ”アァー”ド置き場、じゃ収まりが悪いし……

プレイヤーとは記載されない

ルールおよびカードのテキスト、「プレイヤー」ではなく「海賊」表記になっています。
「海賊を1人選び」「あなた以外の海賊は」といった感じ。
運用上困ることはなさそうなので、カードテキストでも「海賊」で統一することにしましした。

翻訳上の工夫しどころ

雰囲気重視で訳していくのが良さそう、というのを汲み取った上で私訳を進めていきます

fireの訳は使い分る

ルールやカードに頻出してますが、発射、射撃、砲火など、状況に応じて訳をいくつか使い分けていきたいところ。
カウントダウンの3,2,1,fire!は無理に和訳せず、カタカナ発音させた方が自然でしょうか。

例:fire!→撃て!
 double barreled fire! →二連装砲撃!

ballも一捻り入れる

単純訳なら「球」ですが、ここは「砲弾」の訳を当てて置きます。
ついでにカード名の方は「黒き」とか「紅の」とかちょっと気取った訳を当てて雰囲気出しを。

終わりに

カード種類数も多く無く、ルール分量も少ない方でしたが、予備調査に時間かかった……
直訳しない箇所のヒラメキに時間食ったりして、割と難儀でしたね

個人使用の範囲なのでそこまで凝らなくても良いのかもしれませんが、個人的にはこんなコトを考えながら和訳をしております。
まぁ、この手のゲームには雰囲気大事ですから。

今回、Fire in the Hole!の和訳のために「海賊英語」の知見を得たので、次に活かした……くはないなぁ
フレーバーで盛り上げてくれつつも、ルールは読み易く、が理想ですよね

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