どうなって欲しいのかを考える

~療育事業所の選び方・事業所併用について~


「うちの子、他の子より遅れているのでは?」

「独特なのは障がいがあるのでは?」

そう思ったら、児童発達支援事業所や放課後等デイサービス、その他にも発達障がいのお子様を指導してくれる塾や家庭教師(私の会社optiMamがそれに当たります)で療育を受けましょう。

遅れや特性についてはまた別の機会にして、今回は療育先の選び方や使い方についてお話します。

通うために必要な『通所受給者証』の取得の仕方については、過去の記事をご参照ください。

※以前、ほがらかさんが私をインタビューしてくださった記事です。

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通い始める前に色々な事業所に見学・体験にいきますよね。

次に気に入った所に通い始めるはずのなのですが、気に入った所ってどんな特長があるのでしょうか。

「集団指導をしている」「個別指導をしている」「長時間預かってくれる」「勉強(宿題)を面倒見てくれる」「送迎がある」「近くにある」「先生のスキルが高い」「細かく説明してくれる」「清潔感がある」「子供が楽しんで通ってくれる」「食事も出してくれる」「おやつがある」などなど。

みなさんは、どこを重要視して通所先を決定しているでしょうか。

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ご家庭の事情によって、条件の優先順位は様々で当たり前ですが、考えなければならないのは

『今をどう過ごして欲しいか』

『お子さんに将来どうなって欲しいか』

そう、今だけでも未来だけでもNOです。両方を同じくらいの比率で考えなければなりません。

今が良ければいいと思えば、お子さまが荒れることも崩れることも避け、やりたくないことはやらせないことになります。

お子さまの意のままに対応していたらどうなるでしょうか。頑張ることも大事ですし、諦める事や譲ることも経験して、辛くても慣れていくことを覚えなければ、将来社会に出ることはできなくなってしまいます。


逆に、将来の事ばかり考えすぎて、毎日毎日詰め込んで支援・指導を入れたら、将来は色々自分でできることが身につくでしょう。でも、頑張り続けなければならないお子様は休まる場もなく心も体も疲弊しきってしまって、そう遠くない将来にはすべてからボイコットするようになる可能性が高くなります。「何もやらない」という事でしか逃げられないからです。

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将来の選択肢を狭めたくないという親御様の気持ちはよくわかります。だからといって、今お子様が逃げ場がない環境に置いてしまっては、二次障害を起こしてしまうのです。

※二次障害とは…そもそも持っている特性が原因で悩んだり、プレッシャーによって精神的病を発症してしまうこと。

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適度な負荷は成長に必要です。

「いやだ」と言って苦手な事から逃げてばかりいたら、それを克服することはできません。いやでも少しずつやってみる、慣れて行くことの積み重ねで、気付けば大きく成長していたというのは、私も指導していて感じているところです。

筋トレと同じです。毎日毎日トレーニングするのではなく、インターンバルの日を設けて休ませることでより成長するのです。

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さて、前置きが長くなりましたが、私が今日お話ししたかったのは、上記に加えて、療育先の併用についてです。

さまざまな事業所があり、考え方もやり方も様々です。

いきなり複数の事業所に通い始める人もいれば、1つのところに熱心に通う人もいます。

週1回、2週に1回という頻度の方もいます。週に6日という人もいます。

指導する側の意見としては

『1つの信頼できる事業所を探し、多くても週3日程度に留める事』

が一番ムリなく成長できるのではないかと考えます。

月1回…事業所での支援は身につきません。

週1回…他の曜日は一体何をしているのでしょう。

週6回…残りの1日はお出かけしたり他の習い事をしているとも聞きます。いつお子様は休むのでしょうか。

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求めるのは単純に「お預かり」ですか?

「お預かり」の間、お子さまはどのように過ごしているのでしょうか。『療育』を受けているのでしょうか。これはきちんと確認する必要があります。また、「預かってもらえればいい」と考えていらっしゃるのであれば、お子様の将来を再考すべきです。

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「事業所に通ってはいるけれど、余り成長が見られない」と思うこともあるでしょう。そのような時は、児童発達支援管理責任者(児発管)に聞いてみましょう。児発管は療育現場の療育に関する責任者です。

明確な指導内容(個別支援計画書)が児発管の頭に入っていて、突然の質問にも即答できるのであれば、そこは通い続けても大丈夫だと考えます。児発管の目がきちんと届いています。さらに最近はどのような教材を用いてどのような支援をどの先生がして、担当した先生はどのような評価をしているのかも聞いてみてもいいでしょう。

受験をするときに「滑り止め」として何校も何校も受験する方がいますが、数打ちゃあたる的な考えと同じで、たくさん通えば通うほど早く効果が出るとも限りません。お子様はそのタイミングがくれば「成長する時は勝手に伸びる」ことも多いのです。あくまでもそのタイミングを見つけながら、成長時をサポートするのが事業所の役割です。

複数の事業所に通うことで、A事業所では許されることはB事業所では許されないこともあるでしょう。そのような混乱をさけるためにもできれば1つのところで信頼して通った方が、私は断然よいと思います。

併用しても、役割を持たせ、使い分けがうまくでき、担当者会議を頻繁に開催してくれるのなら◎です。でも、実際には現実的ではありません。事業所には他にも困っているお子さまはたくさんいるのですから。

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多少の負荷をかけながらも、緩急つけてメリハリを持たせて支援に通うこと。そして可能な限りは併用しないこと。

「成長しない!!」と悩む親御さんは、新しい事業所ができたと聞くと、どんどん併用先を増やしていく傾向にあります。

結果お子さまが混乱して、気持ちのコントロールが難しくなってしまいます。

任せきりにせず、家で出来ることは試していくことが非常に大切です。




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