「いい格好」をしてしまう同志へ
こちらの記事は、2024年7月発売の小鳥遊著作「『発達障害』『うつ』を乗り越え@小鳥遊がたどりついた 『生きづらい』がラクになる メンタルを守る仕事術&暮らし方」(ナツメ社)の内容に関連したものです。
できないのに引き受けてしまう
以前、会社員時代は総務として仕事をしていました。総務をやる上での心構えとして「Noは言わない」という教えがありました。
というのも、他の部署ではカバーしきれない、こぼれおちてくる仕事を総務が引き受けるものだという考えがあったからです。立法・司法・行政の三権分立でいうと、行政の守備範囲は「全体の仕事ー(立法の仕事・司法の仕事)」というものですが、まさに総務は日本における行政のようなものだと理解していました。
そのマインドがあると、断れません。これは非常に喜ばれます。だから、ますますその姿勢でいくようになります。
結果どうなったかというと、、、潰れました。真面目に引き受けすぎたのかもしれません。もしくは、合っていなかったのかもしれません。いずれにしても、できないのに引き受けてしまうという事象です。
原因は自分
結局は、自分が「引き受けたい」のです。引き受けて、周囲の役に立ちたいのです。そういうと立派に聞こえますが、承認欲求のあらわれとも言えるかもしれません。いずれにしても、手足の自由を奪われて強制的にその作業をやらされない限り、「その仕事を自分が引き受けるかどうか」の選択権は自分にあると言っても過言ではないと思います。
「できる」と思いたい自分を引っ込める
そこで、まずは「できます」「やれます」とつい言いがちな自分を引っ込めることが大事になります。とはいうものの、「そう思いたい自分」を引っ込めるのは並大抵のことではありません。
そこでおすすめなのが、「できる見通しがつくかどうか」の判断をすることです。私は、すぐさま自分のタスクリストに目を通します。タスクリストが渋滞していると、「ちょっとこれは無理だな…」と思うことができ、自然に「これはできないと言っておかなければ」と考えることができます。これが頭の中だけで処理しようとすると、「いや、頑張れば大丈夫!」などと根拠のない自信が、「いや、危ないんじゃないか」という自分を言い負かしてしまうのです。
ということで、つい「いい恰好」をしてしまう自分に対しては、「できない」という客観的な事実が分かるタスクリストなどで自分自身を説得することをおすすめします。