部屋の片付けに取りかかれない同志へ
こちらの記事は、2024年7月発売の小鳥遊著作「『発達障害』『うつ』を乗り越え@小鳥遊がたどりついた 『生きづらい』がラクになる メンタルを守る仕事術&暮らし方」(ナツメ社)の内容に関連したものです。
部屋が片付けられないのはどうして?
部屋が片付けられないのは、片付ける能力がないからだと思っていました。今は、私の肌感覚では、片付ける能力不足というより、そのむしろ逆だなと思っています。
「片付けなければいけない」というアンテナは十分すぎるほど張っているのです。すると、部屋の惨状を目の前にして「あれを捨てなきゃ」「これを棚にしまわなきゃ」といった片付け行動がみるみる自分のキャパシティーを超え、まるでテトリスの負ける直前くらいドンドコ積み上がっていってしまい、何も手が出せなくなってしまうのです。
じつは部屋に物が乱雑に置かれている状況に無頓着な面もあるのですが、それでも「ああ、物が多いなぁ」「乱雑に置かれているなぁ」「片付けが必要かもなぁ」というセンサーは働いていることが多いというのが私の実感です。そのセンサーで感知しつつスルーしている、という人も結構多いのではないでしょうか。
まず「捨てる」ということに気が付いた
そこで自分なりの対策を考えました。片付けは、つまるところ「整理整頓」だと思うのですが、「整理=捨てる」「整頓=物を使いやすい場所にきちんと置く」ということだと気付くところから始まりました。特に、「そうか!整理って捨てることなんだ!」という気付きは、私にとって大きな収穫でした。
今まで「整理整頓」と言われて何を具体的にするのか、目的が定まっていなかったので、適当に部屋の物を移動させてお茶を濁していました。でも、まず捨てるという目的が明確になったので、がぜんやりやすくなりました。
スモールステップを活用
しかし、部屋に山積の物を目の前に、「この中の多くの物を捨てなきゃいけないのか……」と気が進まず手が出せないという状況になりました。
そこで、「じゃあ、まず1個だけ捨ててみるか」とやってみたところ、捨てることができたのです。1個捨てれば1個分部屋から物がなくなって片付けられる。笑ってしまうぐらい当然の事実ですが、いたく感銘を受けました。
100個の物を片付けるという考えではなく、1個の物を片付けるのを100回繰り返せば良い、と考えたのです。しかも、その繰り返し100回の期限は何も今日中である必要はありません。
ということで、名付けて「一日一捨」戦法を実行しました。すると、1日に1つずつ捨てていけば、ちょっとずつではあるものの確実に部屋は片付けられキレイになっていくという確信のようなものが生まれました。
あえて一日に1個のわけ
一日に1個しか捨てないのは、自分なりに意味があります。もちろん2個、3個、10個、100個と捨てても全然かまわないのです。しかし、「今日は100個捨てるぞ!」と気負ってしまうと、途中で息切れしてしまいそうな気がするのです。
あえて1個だけ。そうすることで、「もっと捨てたいかも」という気持ちを翌日に持ち越すことができます。自然に無理なく片付けが継続し、習慣化できるようになります。
ということで、ちょっと時間はかかりますが、確実に片付けられておまけに習慣化もできてしまうかもしれない「一日一捨」戦法は、無理せずお手軽にできる片付けの工夫としてかなりお勧めです。