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かかってきた電話の内容をメモしきれない同志へ

こちらの記事は、2024年7月発売の小鳥遊著作「『発達障害』『うつ』を乗り越え@小鳥遊がたどりついた 『生きづらい』がラクになる メンタルを守る仕事術&暮らし方」(ナツメ社)の内容に関連したものです。

会社にかかってくる電話を取りたくない

私は会社員時代ほぼ一貫して管理部門にいました。そこならではの話として、「代表電話受け問題」があります。

会社の代表電話は、およそほとんどが自分以外の誰かへ取り次ぐことが多いです。しかも、その「誰か」が電話をかけてきた本人も分からなかったりします。

したがって、組織図とそれぞれの部署、できれば人単位でどういった業務をしているかは分かっていなければいけません。しかも、電話をかけてきた相手を待たせないためにも、できるだけ早く取り次ぐ必要があります。

私はこの「代表電話受け」がとにかく苦手でした。障害者雇用で最初に就職した会社での配慮事項を「代表電話を3か月受けない」としたほどです。

全部聞こうとしていた

その頃を振り返ってみると、代表電話が苦手だった理由がなんとなく分かったような気がします。全部聞いて全部理解しようとしていたからです。

緊張して焦ったりすると途端に自分でも訳分からないことをしだす私のキャパシティーからして当然無理があります。それなのに、代表電話の取り次ぎという仕事を完璧にこなさなければならないという「完璧主義」「べき思考」から、完璧に電話越しの相手の話を理解して、いつもスマートに取り次ごうとしていたのでした。

最低「会社名・担当者名・連絡先」だけ聞ければOK

1から100までを全部完璧にこなそうとするのを諦め、いかに最低限度で済ませられないかと考えるようになってから、代表電話受けが多少落ち着いてできるようになりました。

まずは、自分で取次先が分からなければ、無理にすぐ取り次ごうとせず、いったん電話の内容をメモして切ることにしていました。

よくある電話メモには、大体こんな項目があります。

①相手の会社名
②相手の担当者名
③折り返し連絡先
④「折り返して欲しい」「また電話する」などの対応
⑤詳細の内容
⑥日時

これを全部埋めようとしなくて良いと思っています。私は、①②③だけ聞ければ上等!と考えていました。④⑤は必要であれば折り返すでしょうし、そうでなければそのままでも良いので、どうにかなります。⑥は電話が終わったあとでも書けます。

また、この①②③は、「念のため、再度お教えいただけないでしょうか」と聞きやすい項目でもあります。

「聞くべき項目を絞り込む」「しかも聞き直せる」という二重の安全策をしくことによって、代表電話受けへの苦手感をかなり軽くすることができました。

また、「会社名・担当者名・連絡先」だけ聞ければ大丈夫と思うことで、逆に余裕が出て、他の項目も聞けたりするようにもなりました。

引き算で仕事を

代表電話受けに限らず、最低限やるべきことを絞り込むのは、仕事をする上で大事だと思います。「あれもやっておこう」「これもしておかねば」という仕事の足し算は、全部できれば素晴らしいのですが、私の場合は足しすぎて自分の首を絞めることになりがちでした。

それより、「これだけやっておけば良し」という引き算をすると、精神的・時間的に余裕が生まれ、うまくいくことが多かったです。

一見すると足し算で仕事をする方が良いと思いがちなのですが、そうした気持ちをぐっとこらえて、まずは引き算で最低限度のラインを満たせば合格!と考えていくのがお勧めです。

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