モグラを助けられなかった…
さっきまで河口にいた。
もう漁船の船着き場だから、海だ。
海水だ。
なんかすごい勢いで何かが泳いでくる。
…モグラだ。
モグラって泳ぐの?
ってか実際泳いでる。
昨日の雨で畑から流されたんだ。
縄の上まで登ったけど、後が登れないらしく。
私はモグラを引き上げた。
モグラ、震えてる。
このままじゃ風邪をひくからと畑まで連れて行こうと持ち上げたら…
まぁ暴れること!
いま考えれば、そっとしておけばよかったんだ。
私の手から逃げ出したモグラは、再び海へ…
あ"〜っ!!
そうだ、ポリヴェーガル的に見ればさっきのじっと震えてるのは「背側迷走神経系優位な状態」で脅威(私)が去るのを待っていたのだ…
余計なことをしてしまった…
モグラは再び岩にしがみつき、一息ついているようだった。
今回は自力で登れそうな段差だった。
もう余計なことしないでおこう。
モグラからしたら私なんて怪獣なんだから。
上手くいかないね。
だいたい、ポリヴェーガル理論学んどいて、余計なことするなんてお勉強した価値がない。
すっかりショゲて帰ってきた。
モグラ…助かったかなぁ。
結局、自分は理屈より先に感情が来ちゃって、あとで「しまった…」となるのだ。
それがわかっただけでも成果か。
と、思わなきゃ落ち込みから抜け出せない。
モグラ一匹助けられないんだ…。
ただ、パワーのあるモグラだったから、たぶん今ごろ陸に上がっていると思う。
反省だなぁ…。
「本当に可哀想か?」
はポリヴェーガル的に見た方が確実だ。
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