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人類は台所から滅びる 1

これは,40年前に父が書いた本のタイトルです。今でも通用しそうな、なかなか刺激的なタイトルです。

父は発明家 吉岡輝勇(よしおか てるお)と言います。(1915〜1986)
戦後、水を使わないお鍋・調理法を考えました。
無水鍋・吉岡鍋と名付けられたその鍋は,昭和20年・30年代一世を風靡したそうです。
特許権,商標などの知財は取得していました。

お鍋は、もう全くのオリジナル。料理を教えることがメインの営業スタイルではなく、
「健康をつくる食の理論。それを実現するための鍋」というコンセプトでした。
今に通じる‼️
厚でのアルミの鍋と浸透圧理論、茹でるという行為はお湯の中に栄養・味も旨味もにがしてしまう。そして,白砂糖や化学調味料で味付けし直す。それはナンセンス。
そのものが持つ味や旨味を最大限活かす。それが無水調理だよ。」というのが彼の持論でした。毎日の夕食時聞かされました。が,理論を忘れてる‼️
デパートでも店頭でも,営業トークの始まりはいつもここから。

さつまいもを蒸すと美味しい。
ほうれん草だって。エビやカニだって,そのものの味が出る。
こんな美味しいエビ・タコ初めて食べた。

今でいう口コミに支えられ,無水理論は知られ鍋は爆発的に売れたらしいです。
こういう理屈ぽい商品です。
叔父の話しによれば,お客さんから「この鍋でこれやってみたら,美味しかったよ」という声が多数寄せられ,無水調理=そのものの持つ水分で調理するという新しい理論に厚みが増したんだと言ってました。
その当時はお客様も,エネルギーに溢れていたんですね。
その叔父も亡くなって,あの頃のことを語れる人がいなくなってしまいました。
原爆が落され復興途上の広島を本拠地にしていました。

1996年私は、名古屋経由で長野県原村に引っ越しました。
公民館の調理室の棚を開けた時「吉岡鍋」というコーナーを見た時の驚き‼️

2017年イオンモールでお店の陳列棚でみつけた「無水なべ」これにもやっぱり驚いてしまいました。こんな話しをブログに書いたら、カナダからメッセージが届きました。今でも愛用していますと。

そういえば友達が言いました。「お父さんは、100年早く生まれた人だと思うよ。凄い人だったけど,家族は苦労したんだね。」と言ってくれた時,なんか癒され涙がぽろり。

そして,なぜ今「note」にこのことを書きたいと思ったかと言いますと
起業してみて父の仕事の仕方が新しいことに気づいたんです。
父という人が本当に勉強家で,毎朝明るくなると一生懸命勉強していた姿を思い出して
しまいました。
お金儲けは下手だったけど,今に使えるヒントをいっぱい残してくれたと思うのです。
そこで再度父という人,仕事を見直してみることにしました。
読んでみると書いていることが難しい。

そしてこのお話は、今の私の仕事「森のオカリナ樹音」に続いていきます。



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