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皆には お母さんが居るから

いつもすぐ近くで 一緒に笑い合っていた筈の人間が 丸ごと消えてしまった事を受け入れる迄に時間がかかった

何でどこにも居ないのーー!!
どこに消えちゃったのーー!!
歩くと隣にあった あの安心する腕はどこーー!!
仕事終わりに "何食べようか?" ってもう聞けなくて
帰宅したら "今日 誰々がね、" って話も聞いて貰えなくて
"美味しいね!"って一緒に味わう事も出来なくて
泣かずに過ごせる日なんて想像が出来なかった
日常のあらゆる場面で もう会えない事実に気付いてはハッとなり 寂しくてたまらなかった

幸せそうな家族の姿が目に入る事が耐えられなくて 日曜日は家に閉じこもった
お母さんが生きてる人達が 幸せそうに見えて羨ましくて
そんな人達から可哀想な人と思われたくなくて 友達との連絡を絶った


かなり前の話だし とっくに乗り越えているし 客観的に振り返るつもりでいたけど そうでもなかった
20年以上経っても当時30歳の私が まだ心の奥で泣きながら訴えて来るので
この後お風呂にゆっくり浸かって 頑張っていた若い私を いっぱいハグして温めてあげよう

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