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「ブルゾンちえみって何億だっけ?」

35億です。
タイトルからの流れでいきなりになってしまって恐縮ですが、ブルゾンちえみが一斉を風靡したギャグの決め台詞は「35億」です。
後ろで流れていた音楽はオースティンマホーンの曲だし、後ろに立っていた体格のいい2人組みはwithBです。

では、同じく過去に一斉を風靡した小島よしの鉄板ギャグ「そんなの関係ねぇー!」は、一体どんな出来事に対して「でも、でも、でも、でも、そんなの関係ねぇー!」と言っていたか覚えてますか?
分かりませんよね?
分からなくても大丈夫なんです。
そんなことは多くの人には「関係ねぇー」ことだし、元々前フリ部分は有名ではありませんから、安心して下さい。
履いてますから。

よしおの前フリは別としても、「昔は大事に覚えていたのに、今はもう忘れてしまったもの」なんてことは誰にでもあると思います。

例えば、誰かに言ってもらえた「救われた言葉」なんかも、その時はその言葉のお陰で人生を立て直すことができた程の大事な言葉だったのに、今ではもう、その言われた事自体を忘れてしまっている人だっているかもしれません。

実際に僕がそうでした。
僕もついこの間まで、過去に自分が言われた「救われた言葉」をすっかり忘れていたのです。
僕はひょんなことから運良くその「救われた言葉」を思い出すことが出来たのですが、もう何年間も忘れてました。
僕がその「言葉」は言われたのは、約10年ほど前です。
その頃の僕は、苦手な「営業職」の仕事をしていたので毎日苦戦して疲弊してました。
元々、人と話すのが苦手なので成績もかんばしくありません。
僕はその時「会話のスキル」をあげるための一環として、あまり得意ではない「異性との飲み会」に積極的に参加してました。
もちろん参加した時には、自分にムチをうってガンガン相手に話しかけます。
なんなら「おもしろい人」を演じて、無理にハイテンションになって、なんとか相手に笑ってもらおうと必死でした。

でも全然笑ってもらえません。
そもそも会話のスキルが足りないし、その時は自分が面白いと思ってた「ゲスい不倫ネタ」とかを女子にしていたので、全然笑ってくれなかったのです。
今となれば「ゲスい不倫ネタ」で女性から笑いを取ることは無理筋だと分かるのですが、その時は分かりませんでした。
「あれ?この前友達に話した時にはウケたのになんでだろう?」とか思ってました。

そんな不毛な過ちを繰り返えしてたある時、僕はある言葉に救われたのです。

自分でもだんだんと「ゲスい不倫ネタは打率が超低い」という事実にうっすらと気づき始めた頃。

その日の女性陣が優しかった事もあって、飲み会でそこそこの笑いが起きてました。

そして場も暖まり、男女混じってゆるい朗らかなトークをしていた時に、隣に座っていた女性が、僕に向かってこう言ったのです。


「気さくな人ですね」


救われました。
「気さく」は人を救うんです。
「面白い人」という言葉の守備範囲は広いので、「突拍子もないこと」などを我慢してやったりすれば、ある程度は獲得することができます。
でも「気さく」はそんな簡単ではない。
「ユーモアのある人」と言われるのもそこそこの難しいですが、「気さく」はもっとムズい。
難易度的には「聞き取りやすい高速ラップ」、もしくは「超魔界村を一日で全クリ」クラスだと思っていい気がします。

残念ながら僕はその女性を全クリすることは出来なかったし、そのせいでその女性の顔も名前も覚えてないけど、僕はこの言葉に救われて、次の日から生まれ変わったような気持ちで毎日仕事に励むことができました。
だからといって、それから僕の営業成績が良くなったかといえば、そういう訳ではありませんでした。
でも、そんなの関係ねぇー。






 

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