情景243.「霧雨の日」【掌編小説 at カクヨム】
今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「霧雨の日」です。
霧雨と、けぶるもや。
広がる海はもやに飲まれ、その先は不明瞭なまま。
先の見えない不明瞭さを、霧雨のもやを眺める男女の関係に重ねてみる。
長谷川等伯の松林図屏風。
けぶるもやと場の湿度を感じさせる、とても好きな情景です。
現物は以前、九州国立博物館の特設展でたまたま拝見することができました。
魅入っちゃいますね。
ぼんやりとしていて、曖昧な有り様。
ただ、先には何かがあるのだろうと、そう