情景105.「夏の音。鳴き声」【掌編小説 at カクヨム】
今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「夏の音。鳴き声」です。
もう夏ですね。
……あっづい。
おひるどきに乗る電車が結構好きですね。
ひとはまばら。
なんなら、自分以外はいないんじゃないかな、というぐらいに空いている車両で、シートに腰掛けて顔を突き出し、左右の車両をのぞく。
うまくいけば、先頭車両から最後尾まで見通せます。
さらに乗務員室の扉の小窓から、外に広がる線路のその奥までが小さく見えることも。
そうした吹き抜ける場にいるのがなんだか心