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掌編小説マガジン 『at』

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掌編小説マガジン at(あっと)。 これまで、ななくさつゆりがwebに投稿した掌編小説を紹介していきます。 とりあえず、100本! ※2024.6.18 いったん目標の記事10…
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2023年12月の記事一覧

情景202.「湯けむりに夜風」【掌編小説 at カクヨム】

今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「湯けむりに夜風」です。 お風呂の情景です。 そっと窓を開けるの好き。風がつめたい。 風邪ひかないようにね。 湯ぶねにどっぷりと浸かりたい “どっぷり”とですよ。 湯がちょっとあふれてざざーって音がして、 「ふへぇー」とかだらしない声が出るような。 そんなどっぷりな浸かり方。 落ちついたら、窓をちょっと開けて外の空気に触れてみたり。 湯冷めと隣り合わせな情景。 みなさんは経験ありますか。 記憶とは、あ

情景191.「ジングル・レール」【掌編小説 at カクヨム】

今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「ジングル・レール」です。 クリスマスの風物詩。 サンタクロースをいつまで信じていた……わりとそのへんにいましたね。 学生時代、家電量販店でパートタイマーをしていた時期がありました。 そのころにも目にした、このクリスマス特有のレール(行列)。 大人と子供で、この日に対する感じ方はきっと変わったものになるのでしょう。 もしかしたら、ただの一日になっているのかも。 それでも、今そこに並ぶ彼らは……。 という情

情景182.「冬、玄関を開けたら」【掌編小説 at カクヨム】

今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「冬、玄関を開けたら」です。 帰宅した時の情景です。 外の寒い中を自転車漕いで帰ってきて、玄関を開ける。 その時の“感じ”のこと。 さっきまで冷え冷えとした空気の中を突っ切ってきたわけで。 そんな中、わが家のぬくもった空気が体に染み込んでくるあの感じ。 耳元がじんわりと温まるとか。 ファンヒーターの近くに手を出してみたり。 まずは手を洗ってうがいをする。 たぶん、みなさん経験されたことがある情景。 記憶

情景25.「掃除機」【掌編小説 at カクヨム】

今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「掃除機」です。 休みの日、住宅街を歩いていると、懐かしい音を聞いた。 たぶん、午前中の10時くらいかなァ。 私自身、寝ているそばで何度も聴いた音なので、聴くたびにそのときの記憶が蘇ります。 記憶とは引き出しや紐つきの天窓。 ふとしたきっかけにそれを引っ張れば、そのときの記憶が溢れてきます。 そんな情景を紡いでいかなければ、と思いながら書いています。 あなたの記憶の天窓を開く音の情景、お楽しみください。