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22歳の失恋供養

失恋しちゃいました

LINEのトークのピン留めも、Instagramのハイライトも
カメラロールのアルバムも、
仕舞わないといけなくなっちゃった

たくさんのはじめてで溢れた大切な恋だった

まさか、私が、今、こんなことになるなんてなぁ

正直まだ、ちゃんと理解しきれていない
気持ちなんか、当たり前に整理できていない

私から、切り出したくせに
本当は今も大好きなくせに


今 心にあるのは、
終わっちゃったんだなぁ
っていう大きすぎる喪失感


常に瞳のすぐ側で
たくさんの涙が
外に零れるのを待ち構えているようで

フッと気を緩めてしまったら
たくさんの涙が溢れていきそう


終わっちゃったんだなぁ


終わらせちゃったんだもんなぁ

・・・

彼と過ごした日々は
本当に楽しくて幸せで笑いの絶えない時間だった

今思い返すのはきらきらと眩しい私たちの姿ばかり


もちろん、すれ違いや衝突もあったけど
今はそれすらも羨ましい

その度に2人でちゃんと
向き合って乗り越えてきたよね

何があっても、こうしてやっていくんだと
今となっては刹那な確信が、絶えなかった

・・・

春になれば2人で桜を見にいって
人混みに一瞬出来た隙間に、彼がすぐ私を通してくれて
桜を見ながら、ごはん何にしようかなんて話して

夏は南国を旅行して
すこし奮発した豪華なホテルで
「新婚旅行のハードルがあがっちゃったねぇ」と
遠い朧かな未来に目を向けて笑っていた

秋は紅葉を見に遠出をしたり、
おうちご飯を豪勢にしたり、
明け方までゲームに勤しんだり、
ひとつのブランケットをかけてそれぞれ本を読んだり
2人でいろんな「〇〇の秋」をした

冬はイルミネーションを見に行って
お互いプレゼントを贈りあって
いつもとは違うちょっとかしこまった雰囲気に
2人して くすぐったくなったりして


それだけじゃない
ドライブ中の会話や2人で歩いた公園のベンチ
おうち映画、ソファでのお昼寝
ごはんのときいつも見てたTV番組
キャンドルを灯したお風呂
数え切れない寝落ち電話の夜

季節というラベルさえ要らないような、
取るに足らない日常のひとつひとつが

今もなお、私の毎日に溶け込んでいて

あなたと行った場所、あなたと見た景色
あなたと食べたもの、あなたと話したいろんなこと

あなたとの交わりを感じるたくさんの記憶が
日々のささくれのように
時にふと、悪気もなく私を痛めつける

意地悪にも愛おしい記憶たちが
もう、増えない未来が悲しい

何もかもが“思い出”になってしまったことが悲しい

・・・


しょうがないことだった

別れの理由をそれっぽく言うとしたら、

お互い真剣に向き合うべきことができたタイミングで
それに向けて、今は一緒にいるべきではないと、
お互いがわかってしまったの

各々が各々のフィールドで戦うときだと

どちらかに他に好きな人ができたわけでも
どちらかが相手に冷めたわけでも、ない

それどころか、

どちらからともなく別れの話をし始めて、
お互いが口を揃えて第一に言ったのは

「今も好きなんだよ、」だった

お互いひととおり思いを伝え合ったあと
ふいに口から出たのは
「また、会おうよ、それぞれ頑張った先で」だった

こんなにも苦しい、やるせない
「好き」や「会おう」は
もう一生、聞きたくないな


…ちがう、そうじゃないね

あなたからの「好き」を聞けなくなっちゃったんだ

・・・

ここまで長くて大きくて深い恋愛は
あとにも先にも、彼だけだから

しばらくはずっと、思い出しては落ち込み泣くんだろう


私がそうであるように、彼もそうであればいい

もう、私以上の人になんか、出会えなければいい

2人しかわからない笑いで盛り上がったり
2人だけの秘密を大切に共有しあったり
そんなの、ずっと、彼にとって私だけでいい

次第に私を失ったことを後悔したらいい

そして、ずっと、幸せで健やかでいてくれたらいい

・・・

2人で始めて、2人で終わらせた恋人という約束

始まりも終わりからも解放された今、
ある意味私たちは永遠になったような気がしている

もともと、恋愛とか抜きにしても
親友みたいな彼だ

親友なら、終わりはないでしょう?
ずっと一緒にいられる2人になったんじゃないかな?

なんて、

性懲りも無くこんなことを思ってしまって
恋愛はなんと厄介で格好悪くて愛おしいんだろう

・・・

彼の恋人としての暮らしは終わってしまったけど

彼が教えてくれたたくさんの愛は忘れない

あなたの好きな食べ物も
ちょっとへんなこだわりも
大好きな匂いがする大きな背中も
仕事終わりに飛びついてくる笑顔も

病気に怯える私を、ひたむきに支えてくれたあなたも

いつかぜんぶ、色褪せてしまうとしても、忘れない

忘れたくない

忘れられないよ


ありがとう、大好きで大切な人
どうか、あたたかい太陽の下で幸せに暮らして


そして

もうちょっとだけ、好きでいさせて
あわよくば、なんて願うことを許して

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