鉄板ナポリタンと喫茶店と雪、日記
1月24日
珍しく雪の降る日だった。
空気は刺すように、痛いくらいに冷たい。
いや、最早凍っているというべきか。
積もらないほどの小さな雪がひたすらに
降りしきる。
手が赤い。冷たい。かじかんでいる。
そして、私は朝から何も食べてなくて、
とにかくお腹も空いていて。
空腹と寒さが共存すると大変なんだ。
何がって、思考がピッタリと停止するんだ。
何も考えられなくなる。
何も考えられなくなっても、ごはんのことだけは
「温かいものが食べたい。」
と思えた。とにかく、アツアツの何か。
お腹をあったかく満たしてくれるもの。
何が良いかな。
…
とりあえず降りた駅で近くにあった喫茶店へと
足早に近づいて急いで扉を開けて入る。
平日の昼間だったからか、その喫茶店には
サラリーマン2人組と、オジ様オバ様の
3人グループが1組。
勝手に座っていいみたいだったので、
光のある窓際の明るい席に腰掛ける。
色々な雑貨でごった返しになったカウンター、
少し古びた、広いボックスの椅子。
昭和のままというか、昔のままというか。
変にかしこまらなくて大丈夫だという温もりを
感じる。冷えた身体が溶かされていく。
…
「鉄板ナポリタン」を注文した。
酸味と甘味が絶妙な特製のソースに、
とろとろ卵のアツアツなナポリタンだ。
麺は太くて、つるんとソースと絡み合っている。
アツアツなナポリタンは、私の身体と心を
瞬時に温めてくれた。温かさがそのまま身体に
沁み渡る。美味しい。
段々と思考が動き出す。色々なことを再び
考えられるようになった。
ナポリタン効果なのかな。素敵だな。
激しく雪がふりしきる外を眺めながら、再び
アツアツを食べる。なんだか少し贅沢なことを
しているような背徳感すらもある。楽しい。
…
そこの喫茶店は、なんだか時間がゆっくりと
流れているような気がする。居心地が良い。
そうだ、喫茶店のそういうところが
好きだったんだよなって。
「喫茶店が好き」な感覚や気持ちを、
身をもって思い出した。良かった。
思い出せて。
…
お会計を済ませた帰り際に、
「あの、すごく美味しかったです」
って伝えた。
すると、店主さんは少し意外そうな顔をして、
それから少し照れ隠ししながら、
「ありがとうございます、また来てくださいね」と言い、お店のショップカードを渡してくれた。
そして、
「雪に気をつけてくださいね」
という言葉もかけてもらって。
嬉しいな、心がじんわりとした。
とってもあたたかい気持ちになった。
…
お店に入る前よりも雪は強くなっていて、
より一層寒くなっていた。
それでも、「大丈夫だ、歩こう」
と前へ進めるのは、考えながら目的地へと
再び歩くことができるのは、鉄板ナポリタンの
おかげなのかな…!
温かいものや、空間、人は、心の活力になる。
そう、改めて思い直す。
あ、あとは「喫茶店が好きな気持ち」も追加で。
珍しい雪。激しく降ってました☃️
とても寒かった
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