ドクターマーチンがあんまりなついてくれない
チェリーブラウンの8ホールと、ブラックの3ホールを持っている。今回私の足と戯れて、ズタボロにしてくれたのは3ホールの方だ。
なにせびっくりするほど懐かない。買ったばかりの頃にシューキーパーで伸ばして、クリームを塗って、最初は短時間から履き慣らそうとしても、20分も歩けば踵の皮が剥けた。なんなら10分でもダメだった。踵を庇って歩けば、今度は小指の爪がやられた。変色して、そのうち部分的に爪が剥がれたり、ひどいと全体が生え変わるまでの間古い爪がパカパカ浮いていた。職場の机に足をぶつけた後に、足の指が何か硬いものを踏んだのでなんだろうと思ったら、小指の爪が取れたものだったことがある。新しい爪が生えてきていたおかげで、痛みやその後の支障は全くなかったのが救いだ。
先日、日帰りで名古屋に行ってきた。
用事がたくさんあったので詰めに詰め込み、名古屋駅で行きも帰りもしこたま迷子になり、ひょっとして私はここで迷って干からびて死ぬんじゃないかと思った。それくらい迷った。近鉄と名鉄のあたりで永遠に彷徨っていた。そんな風にウロウロウロウロしていたから、足がやられた。そうでなくても一駅間歩いたりもしていたので、余計に。
都合5年ほど(実際に履いてる回数は多くないが)、長らく付き合ってきたマーチンはだいぶ懐柔の姿勢を見せているので、踵は無事だ。しかし小指の爪は両方とも変色している。おまけに中指の爪が人差し指に刺さって傷になっている。長年(と言えるほどではないが)の経験でわかる。これは間違いなく、小指の爪がまた生え変わる。前回は半年ほどかかったので、今回もそれくらいかかるんだろう。その間自主的にマーチンを履くのはやめるので、しばらく愛しの3ホールとはお別れになるかもしれない。かなしい。
以前別の靴屋さんで足の形を計測してもらった時は、甲が低くて横幅が狭いとのことだった。そのため、恐らく歩くと足が前に突っ込む形になって、指に負担がかかっているんじゃないか。オススメされた中敷を入れたことで踵は無事になったので、間違いなく効果はある。爪のトラブルはきっと、選んだサイズの問題だと思う。
探せばきっと、私の足に合う靴というのはあるんだろう。それが金額の多寡やデザインの好みを除けば、すぐ見つかるのかもしれない。
けれどマーチンに惚れ込んでしまった身としては、今日の服には絶対この靴! と思ったらマーチンを履きたい。それで足に傷を負ったら、治るまでは我慢するとして。
とはいえ、これ以上ドクターマーチンを増やすことはないと思う。新たな一足と付き合い始める時に、また踵に穴が開くことはちょっと耐え難い。
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