8.あいつの裏切りは断罪されない。
①反逆者ダレイオス。
裏切り者には天罰が下るのが必然ー。
そう思いたい我々がいる。呂布、吉良上野介、明智光秀、ブルートゥス。裏切りは悲惨な最期が待っていると思いたい。
しかし。
実際は、裏切って逃げおおせている人物が数多くいる。歴史の中で表に出てこない人々もたくさんいるはず。その中でも、今回のメインはすごい。
ダレイオス1世だ。
②4つの国に分裂。
オリエントを統一したアッシリアに代わって、4つの国々が台頭した。特筆するのは北方のインドヨーロッパ系の民族のリディア王国。初めての鋳造貨幣を作成した。エレクトロン貨。
バラバラだったオリエントをまとめたのは、メディアの中にいたペルシア人。
ザグロス山脈に挟まれて、北には遊牧民のメディア人。南には農耕のペルシア人。文化が違うため、対立が起きるのは当たり前。
ペルシア人のリーダー、キュロス2世がメディアから独立した。
③キュロス2世の統一への道。
まずはリディアを攻める。これで鋳造貨幣はペルシアのものに。
続いて、新バビロニア。キュロス2世は破竹の勢いで征服する。
バビロンを陥落させると、ユダヤ人たちが内部で戦っていた。
キュロス2世「ユダヤの民よ。ご苦労であった。褒美をやろう。なんでもいうが良い。」
ユダヤ人「それならば、我々を約束の地へ返してください。」
キュロス2世「お安い御用だ。帰るがいい!!!!」
ユダヤ人は思った。
ユダヤ人「また神が我らをお救いになった!我々は選ばれた民だ!」
この時にユダヤ人の選民思想とかいう中2全開の考えが生まれた。さらにユダヤ人はこれまでの苦境を後世に残そうと文字で残した。これが旧約聖書。内容は創世記〜バビロン捕囚まで。
キュロス2世が死去すると、息子のカンビュセス2世が征服を引き継いだ。しかし、このカンビュセス2世はドラ息子なのだ。残るエジプトを攻めようとするが、王位を奪われるのが怖かったカンビュセス2世。継承権のある弟を暗殺してしてからエジプト遠征に向かった。
③カンビュセス2世の統一の道。
酒を飲んで暴れながら、カンビュセス2世はエジプトを征服した。オリエントがまた統一されたのだ。
しかし、都スサでは、不穏な動きがあった。
神官のガウマータが謀反を起こして王位を奪ったのだ。ガウマータの心境やいかに。
ガウマータ「あんな暴君に従うことはできぬ!」
きっとみんなのために立ち上がったのだろう。暴力はいいことない。
④急に現れた、ダレイオス。
このガウマータを倒した謎の人物がいる。
ダレイオスだ。
ダレイオスはガウマータを倒して王位についた。そしてダレイオスは、
「ガウマータは簒奪者だ!悪だ!我が悪を倒した!」
都に戻っていたカンビュセス2世も途中で死んでしまい、晴れてダレイオスが正式に王になった。
アケメネス家のダレイオスが。
しかも、キュロスはアケメネス家であるという記録が出てきたのは、ダレイオスが王になったからだ。
キュロスはアケメネス家ではないのだ。
何が言いたいかというと、ペルシアは2代で終わっている可能性がある。そしてダレイオス1世はプロパガンダがめちゃくちゃうまかった。
⑤裏切られたやつは、裏切られないように。
とはいってもダレイオス1世は大帝国を治めるのがうまかった。
ダレイオス1世「全国を20の州を置いて自治を認める!」
半分は現地の民族が任命された。この知事のことをサトラップという。サトラップが反乱しないように監視役を置いた。王の目・王の耳という。反乱が起こった時には軍を送り込むために道を作った。一番大きい道を王の道といった。スサ〜サルデスの道のところ。
都はスサ。しかし、春分の日にお祝いするためにペルセポリスを造った。神殿を作る職人を集めて、エジプト風に石で造ったので残っている。
各民族を集めて、ダレイオス1世に貢物をさせる。奥に祀っているのは神アフラ=マヅダ。ゾロアスター教の善神。
帝国は200年続いた。
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