「2人のローマ教皇」は飽きず、興味深い。
①保守派 VS 改革派
どの組織でも保守派と改革派の派閥争いが存在するなあと。カトリック教会内では、
保守派 = 従来の価値観を継続。世間の動きに反応しない。
改革派 = 時代の価値観に柔軟に対応すべき。LGBT、同性婚 etc...
ベネディクト16世は保守派、サンフランシスコは改革派として描かれる。
②ベネディクト16世の苦悩
最大の苦悩、それは聖職者たちの大規模な性的虐待の隠蔽。
2002年にアメリカで報道されて明るみに出た。世界中のカトリック教会や神学校で幼い子供たちが聖職者によって乱暴を受けていたのだ。この大スキャンダルでカトリックの権威は大きく揺らいでいる。
ちなみに日本でも一人、子供の時代に性的虐待を受けていたと告白した男性がいた。
あまりに大規模すぎて被害者の総数がわかっていない。
この話も映画?になっていてnetfilxで視聴できます。
この事件にベネディクト16世が関与し、隠蔽に加担したと映画の中では描かれている。
組織を守るためとはいえ、許しがたいことをした。ベネディクト16世は苦悩していた。
③フランシスコの苦悩。
一方、サンフランシスコの最大の苦悩は、アルゼンチンでの出来事。
1970年代、故郷のアルゼンチンではクーデタにより軍事独裁政権が樹立。区の責任者だったフランシスコは独裁政権の理不尽な政治に疑問を感じつつも、キリスト教徒たちは反体制派として弱者を助ける。
フランシスコは政権と反体制派との板挟みになり仲間を裏切ってしまう。
④「赦し」と「祈り」って大事。
自分では分かっていても、悔い改めることができないことがある。ベネディクト16世が映画内で、
「私に必要なのは、心の補聴器なのかもしれない・・・。」
と言っていた。
誰かに赦してもらうことで、初めて悔い改めることができ、明日を新たな気持ちで生きていくことができるのだと感じた。
最後のシーンで、フランシスコは教皇になり、
涙が流れるなら嬉し涙でありますように。
と、祈っていた。
祈るって意外とパワーがあると感じる。祈りこそが、現代に蔓延しているペシニズムや相対主義を打破することができるかもしれない。
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