開張足について

開張足は先天性のものもありますが、ここでは後天性のもの、機能不全に起因するものについて書いていこうと思います。開張足とは横足弓のアーチが低下し、中足骨頭同士が開いた状態と言われています。

そもそも足は体重がかかると横足弓と内側アーチが元の高さから低下します。体重をかけなければ、それらのアーチは元の高さに戻ります。よって開張足とは低下したアーチ(主に横足弓)が低下したまま元に戻らない状態と言えます。

体重は脛骨から距骨と踵骨へ移り、中足部・前足部へ繋がっていきます。この時、距骨は内旋・底屈し、踵骨は外旋・外反します。ショパール関節は回内、第4/5中足骨は回内、第1中足骨は回外します。リスフラン関節は第2と3楔状骨が下方に移動して第1楔状骨と立方骨を外に押し出すように動きます。これらの動きが元に戻らないと開張足になる要因となります。

開張足となる原因・要因は多くあると思いますが、一つは歩行中に片側の前足部に重心が長くかかってしまう事も関係あるかと思います。紛らわしい言い方ですが、かなり大雑把に言うと右足のヒールストライクから始めると、重心は右足の踵から右足の前足部に移動し、そこから左足のヒールストライクで重心は左足の踵に移り、左足の前足部、そして右足のヒールストライクが起こるようなサイクルで重心が移動しています。そう考えると、片側の足が開張足の場合、歩行中に同側の踵から前足部への重心の移動が早く、さらに反対側の踵荷重に移るのが遅いと、他の部位に比べて前足部に重心が長くかかってしまう事になるかと思います。

そう考えると、同側の踵から前足部への重心移動を早くしているのは、可能性としては足関節背屈制限、脛骨内旋制限、膝関節伸展制限、股関節伸展制限、股関節内旋制限がまず上げられるかと思います。さらに上部に目を移すと胸郭の回旋制限や、頚椎の側屈・回旋制限も関係あるかもしれません。

そして同側の前足部から反体側の踵への重心移動を遅くしているのは、例えば同側の腓骨筋の機能不全、下腿三頭筋の機能不全、後脛骨筋や長母趾屈筋の過活性などが挙げられるかもしれません。これらの機能不全がどのように重心移動と関係しているかはまた後ほど書いていきたいと思います。

Calant Sports Rehab & Performance
代表:爪川 慶彦
www.calant.org


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