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「取材で困り果てたときの最終手段、教えます」新R25編集長"聞き方の極意"朝渋イベントメモ

2月某日、新R25編集長渡辺さん登壇の朝渋イベント「相手の本音を引き出す"聞き方の極意"」が良すぎたので、今更ながらレポートに(SNS発信OKとのことだったので、お言葉に甘えてます)

渡辺さん著の「マネ凸 お金を増やす最強の思考法」を楽しく読んで、「こんなエグい大物相手にいかつい切り口で突っ込んで、ちゃんと引き出して面白く仕上げてるって、舞台裏どうなってるんだろ…」と思っていたところのイベント。めちゃ為になりました。取材する人以外にも刺さる話だなと。


1. "聞き方の極意"事前準備編

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1.1 成功イメージから逆算した質問を考えよう
漫然と質問するのではなく、ゴールに向かって誘導するイメージを持つ

ゴール設定の仕方
「自分のゴール」と「取材相手のゴール」を考える。「相手をよく見せるには?」、「媒体の方針、読者の反応を考えるとどう?」と相手と自分のことを考えてイメージを作る。新R25なら、「大物から役立つ情報を集める」というスタンスを踏まえて考える。↓が好例


1.2 質問は事前共有しよう
基本的に思考時間と回答の質は比例する。インタビュー慣れしていない人には特に前から伝えよう(相手と内容によっては事前展開しないほうが吉なことも)

1.3 成功イメージを相手に共有しよう

取材相手⇄取材者という、依頼者と受ける人、関係性構築できていないクライアントと営業のような関係ではうまく行かないことが多い。「◯◯な良い記事を作る!」という共通のゴールを目指す関係、一緒に頑張る関係、共犯関係を作るべき

企画+取材と編集の割合
企画+取材:編集 = 4:6。編集でどれだけ料理できるかが肝。インタビューし終わった後の感触は「面白い話もあったけど、全体としては普通だったな…」が多い。7割つまんない、3割面白いをそのまま記事にしたら普通の記事。そうじゃなく、思い切って3割だけを記事にする。だから面白い記事が作れる。(今回のイベントは10割面白かったので、全部書いています)


2. "聞き方の極意"取材中の心得編

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2.1 自分で空気をつくろう
取材スタートまでの空気作り。キーは快活さ。相手の圧にのみこまれないように。インタビューする側が"快活"なだけで上位5%と思って元気よく挨拶、気持ちよく空気を作る。(明るい取材担当というだけで設けもん)

事前準備出来なかったときのアイスブレイク
まず大前提話す内容だけでなく、表情を含めて空気を作る。アイスブレイクするには「自己開示系の鉄板トーク」をいくつか準備できていると便利


2.2 まず最初に好意を伝えよう
切り込むとき、踏み込んだ話をするときこそ、好意、リスペクトを伝えて敵じゃないと伝える。好意を伝えることが、切り込んでいくときの勇気の土台になる。

2.3 切り込む時ほど感じよく
言いにくいことこそ、笑顔で気持ちよく。「あのぅ…」というテンションはNG。

2.4 縦移動と横移動のタイミングを見極める
縦移動は深堀り。堀り方は「背景」か「具体例」を聞くこと。例えば「ピンクのかばん好き」と言われた時、「ピンクかわいいよね」ではなく、「なんでピンクが好きなの?」といった相手の根っこの価値観へ深ぼっていくイメージ
横移動は話題変更。「あ、この質問答えづらそう。そろそろ次のトピックに行きたい」そんな時は、気持ちよく次の話題に切り替える

切り口の極意
「絞る」「逆張る」「ゆさぶる」「極端にする」「ギャップを出す」
世の中に役立つ情報はたくさんある。新R25としては、その情報を取りに行く、行動に移す後押しをすることを目指しているとのこと。説得ではなく、納得を促す。そのためにはコンテンツの入り口=切り口が重要


3. "聞き方の極意" 苦しいとき

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3.1 苦しい局面ほど前に出よう
→ 「的はずれなこと聞いて堀◯さんに怒られた…」ここで下がると状況は悪くなる一方。こういうときこそ「すみません!」と気持ちよく謝る。「この空気を変えるのは自分だ」というマインドで。

3.2 仮説をぶつけて誘導しよう
→ 中々欲しい回答が出てこない時、「◯◯と思いませんか?」「◯◯なときにこだわっていることはない?」と仮説を当て、誘導する

3.3 成功イメージを伝えて降参しよう
→ どう切り込んだら良いか分からない、どん詰まりな状況の最終手段。共犯関係ができている前提で、「すみません、◯◯な文脈にしたいんですがなにか無いですか!?」と相手の胸に飛び込む。

3.4 あとから追加で質問しよう
→ 著名人でなければ、後からメールやTV電話で聞けるもの。


最後に、「普通」の捉え方

企画を考える時、「普通を理解する」から始める。例えば、「自己投資って普通なんだ?」を考えて、調べて、人に聞いて、「金と時間がかかる」「業務時間外でやるもの」等、世の中一般が考えているイメージを洗い出す。そして、その世の中のパブリックイメージを踏み台にジャンプするイメージで企画を考える。


以上です。


ITベンチャーのPRをする中で、取材に携わる機会は非常に多いものの、取材者目線の話を聞けるのはとても有意義でした。論語と算盤のような、ゴールはある、そこに向けて聞き出す戦術もあるけど、根本には取材相手への愛、記事を通じて勇気付けたい若者の存在等、両面があって良いものができるのかと思いました。

取材する際の共犯関係作りの話や、「好意を伝えることが、切り込んでいくときの勇気の土台」のくだりは、代理店時代に感じていたものが呼び覚まされ、ズバッと刺さりました。

そしてなにより(?)渡辺さんの声、凄い良かったです。何となく動画見てイケボ予想はしていましたが、生声はより良かったです。ありがとうございました。

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