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転職活動のポイント(対エージェント編)

最近『転職の魔王様』という小説を読みました。転職エージェントとそこを訪れる求職者たちのお話で、内容もとても面白かったのですが、何よりエージェントの仕事についてよく取材されているなと思いました。
特にエージェントと求職者の関係性については、これを読めば理解が深まります。
※フィクションなので、実際のところここまで求職者に親身になって本当のことをぶっちゃけてくれるエージェントは稀です。

前回は転職エージェント比較のような記事を書いたので、今回はエージェントを使う際の注意点について書こうと思います。

※前回の記事


自分の位置付けを理解する

私も最初の転職の時は勘違いしていましたが、エージェントからすれば実は我々は「顧客」ではないのです。
なぜならエージェントにお金を払うのは企業であり、求職者は企業から手数料を貰うための「商品」だからです。
そのため、「商品」としての価値が認められなければ、顧客である企業に売り込んでもらうことも出来ないのです。

自分の「商品価値」を上げる

転職エージェントは同時並行で何人もの求職者の対応をしており、当然キャパに限りがあります。商品価値が低いとみなされた場合は、露骨に対応が劣後されたりします。
また、人気企業の場合は当然応募者数も多いため、エージェント内で選考が行われ篩にかけられることもあります。条件に合わない人材を送り込むことは企業との信用問題に関わるからです(『転職の魔王様』にもそのような描写があります)。

転職エージェントに自分の優先順位を上げさせるには、「企業に自信を持って紹介できる人材」であることが前提条件となります。

私の場合は
・返信は即座に返す(時間がかかる場合はその旨一報入れる)
・要望事項は明確に伝える
・応募企業への質問は積極的に投げる(やる気アピール)
を心掛け、入社後もまともに動ける人間だろうというイメージを持たせることを意識していました。

応募企業の数をコントロールする

大手エージェントからは「一般的な書類通過率は○○%なので、一度に○○社程度を目安に応募しましょう!」とさも尤もらしく勧められますが、真に受けてしまうといざ半数以上書類通過してしまった時に調整が相当厄介になります。
1社のエージェントから全て応募するのであれば責任取って調整頂けるのかもしれませんが、実際には複数のエージェントを併用することが多く、その調整コストは自分が負うことになります。
ただし、応募企業を絞りすぎるのもリスクがあります。内定承諾を待ってもらえる期間には限りがあり、他社の内定が出ない内に最初の内定承諾期限が到来してしまうと厳しい判断を求められることになります。出来れば同時並行で志望度の高い企業は受けたいところです。
一方で、転職活動には「練習」が必要であり、度胸をつける意味でも実践経験をある程度積んでから本命企業を受けることが望ましいです。この辺りの戦略はエージェントと相談してみても良いでしょう。

自分の希望条件を明確に伝える

これがわかるのは誰でもない自分しかいませんので、嘘がないよう整理しておきましょう(割と自分に対してすら無意識に嘘をついてしまうケースがよくあります)。
そのための壁打ちとして転職エージェントとの面談を活用するのは有りですし、最近では先方もその辺を意識して深掘り質問してきます。
特にノックアウトとなり得るNG条件(私の場合は転勤、英語)はしっかりと伝えましょう。下手に条件の良い企業に書類通過した後、これが理由で辞退するのは心理的にも辛いものがあります。
また、希望条件が曖昧な人よりはっきりしている人の方がエージェントも企業へ紹介しやすいようです。

退職理由を整理する

複数回転職している場合は、最初から遡って全て質問されると思った方が良いでしょう。私は転職回数が多い方なのですが、今回面接した企業全てで過去の退職理由を逐一聞かれました。
転職理由って一つでは無かったりするので、文章化しておかないとついうっかり前回の面談時と違うことを喋りかねず、二次以降の面接で不整合が起きたりすると面倒なので、職務経歴書に予め記載してそれを見ながら説明することをお勧めします(この手法はエージェントからも喜ばれました)。
それで書類通過した企業なら、転職理由を堂々と説明できるということでもありますからこちらもやり易くなります。

人間関係など正直に伝えるべきか悩ましい理由の場合は、その旨転職エージェントに相談しても良いと思います。彼らは面接通過事例をいくつも把握しているはずですから、その理由なら問題ない/それは言わない方が良い、等のノウハウがあります。
なお、ワークライフバランスの改善は昨今ではメジャーな転職理由だそうで、昔の転職ではあまり言うべきではないと言われた記憶があるのですが、今は使っても問題ないそうです。


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