転職活動2022まとめ

(2023/1/30追記。内定承諾〜入社日確定後の対応を追加。あと細かい点を微修正。)


このnoteを書いた理由

・今回色々な転職エージェントを利用してみて思うところがあったため、転職を考えている人に向けた情報共有をしたい
・自分のための備忘録(と言いつつ、今回を最後の転職にしたいのでこれを活かす機会があるとは思いたくないものの、世の中「絶対」はないですから…)

前提

一般的に、エージェントは業界・職種により担当が分かれており、このnoteでは「社内SE」の求人担当に限った内容となる点ご了承ください。
※便宜上SEと表記しますが、IT企画なども含む広い意味でのIT職です。
また、筆者はアラフォーのため、30代後半以降の方向けの内容になると思います。

転職の条件

・希望職種:社内SE(IT企画、システム開発・保守、プロジェクトマネジメント等)
・希望業種:不問
・希望待遇:現行と同等以上(WLB改善目的のため、多少なら下がっても良い)
・ノックアウト要件:転勤あり、英語必須、リモートワークNG、Openworkの点数が3を下回る会社

「社内SE」転職市場の変化(個人の感想)

①情報システム部門の求人が増えている

統計を取ったわけではないものの、肌感として情シスの求人数が以前の転職時よりも増えているように感じました。面接時もどこも人不足とのコメントで、特に上流工程を取りまとめられる人材がほしいという声が多かったです。
募集企業数も増えているように感じますが、1社における募集ポジションの数も増えているように思います。(理由は後述②参照)

②募集職種が細分化されてきている

数年前までは「社内SE」(企画・アプリ・インフラごちゃ混ぜ、何をやらされるか入るまで不明)というざっくりした危うい求人をよく見かけたものですが、今回は比較的役割の明確な求人が多かったです。
ジョブ型雇用を意識してのことか、あるいはスキルアンマッチによる早期離職の実害を受け是正された結果でしょうか。
基幹システムや社内ITインフラを管理する「情シス」と後述③の「DX推進」とで部門が分かれている企業が多かったのも印象的でした。

③どの企業もDX推進ポジションを募集している

DX推進ポジションは、私が情シスポジションを見ていたほとんどの企業で並行で募集していました。求める役割は各社バラバラではあるものの、総じて何でもできる「救世主」を求めているような内容が多く、応募にあたっては入社後にどの程度苦労することになるか面接の中で探りを入れたり、カジュアル面談等で現場の方と会話する機会を設けることが必須かもしれません。
DX推進においては組織負債と向き合うことがセットになるケースが多く、請け負うことのリスクの高さ・割に合わなさは中野仁氏のツイートがわかりやすく、個人的に全IT人材必読だと思っています。

④転職回数や年齢は以前と比べてあまり気にしていない(一部業界を除く)

私はすでに4回以上転職しており、一部業界(特に不動産)ではそれを理由に書類落ちしまくりました。
一方で、JTCでも人が欲しい会社はもはや転職回数の多さは気にしていないようで、総じて思ったより書類は通った印象です。ただし、面接では過去も含め転職の理由を必ず聞かれるため、対策は必須です。
私はアラフォーなのですが、どこも人不足からあまり歳は気にしなくなってきている印象です(もちろん募集ポジションによります)。昔はエンジニア35歳限界説などありましたが、実際に私も前職で40代中盤〜後半の人を何人か採用したりしていますし、今は管理職とほぼ同待遇のスペシャリスト職(ラインマネジメントはしない専門職)などのポジションも増えてきているようですから、採用面の融通は効きやすくなっています。因みに、私が今回応募して選考に進んだ社内SEポジションは、いずれもスペシャリスト職での採用でした。

⑤採用側のマネジメントにも中途が増えている

これは余談ですが、今回の応募企業では自ら「私も中途で、入社○年目なんです」という部門長が意外に多かったのが印象的でした。中途入社者としては親近感が湧きますし、良いアイスブレイクになるので私も採用側になったら使おうと思いました。

転職エージェントについて

さて、ここからは本題の転職エージェントについて、実際に利用した感想を書いていきます。
今回は業界大手の総合型エージェントしか使いませんでした。IT職だと専門特化型エージェントが良さそうに思われますが、社内ITポジションだと利用企業が少ないんですよね。(私が知らないだけかもしれないので、もし社内ITポジションが得意な専門特化型エージェントがあったら教えてください)
総合型エージェントにも各社ごとに特色や得意領域があると思うのですが、今回はフラットに良かった点、改善してほしい点をざっくりまとめます。
正直に言って担当者個人の質に依るところが大きいのですが、伊達に転職回数多くないので、過去の転職時のエピソードも絡めつつ、会社ごとの大まかな傾向が伝われば幸いです。

なお、今回の転職では、AIによる求人紹介が主流になりつつあるのを感じました。エージェントは何もしなくても勝手にマッチングしていく、数打ちゃ当たるビジネスモデル。
ただ現状では精度面に問題があり、企業・求職者双方にとって品質は良いとは言えず、まだまだ実用面では課題が多いというのが私の所感です。
それでもエージェント側からすると従来よりも労力をかけず結果を出せるので、是正圧力がかかりづらいのが企業・求職者双方にとって頭の痛い問題です。

リクルートエージェント

【良かった点】
・取扱求人数が最も多い(他のエージェントで扱っている求人は大体ここにもある)
・面接対策として、過去の質問内容や見送り理由等を事前に教えてくれる
・今回利用した中では初回面談時の対応が最も礼儀正しかった(過去にはやたらウエメセな担当者が多かったのだが是正された模様)
・担当者不在日が多かったが、サブ担当がカバーする体制が確立されていた
・レジュメの添削をちゃんとやってくれた(他社は割とスルーだった)
・昔こちら経由で入社した際のサポートが割と丁寧だった印象(10年近く前ですが参考まで)

【改善してほしい点】
・サイトの使い勝手が最も悪かった。選考中企業の求人票へのアクセス導線がわかりにくい(すごく困った)、入力フォームに謎の横幅の文字数制限があるなどイケてない
・こちらの質問への回答遅延、無回答が多い(企業理解が甘く、答えられない)
・何回言っても古いメールアドレスに連絡してくるなど、仕事が雑
・担当者・AIがそれぞれ紹介求人を送ってくる仕組みだがAIの学習精度が最後まで低く正直迷惑だった(AIだけ止める機能はない模様)
・面接官の名前を事前に教えてくれない(他社は聞かなくとも教えてくれた)
・面接後アンケートの各項目ごとに「企業側へ公開して良いか」を問われるが、どの情報の公開/非公開が有利/不利なのかは判断しかねるので、むしろそっちで考えてほしい
過去のやらかしが原因で個人情報の取扱がシビアになってる影響?

doda

【良かった点】
・取扱求人数はRAに次いで多く、むしろここでしか取り扱いの無い求人も多かった
・面接対策として、過去の質問内容や見送り理由等を事前に教えてくれる。面接官が確認したいポイント(人事担当、現場担当それぞれ)などかなり細かくフォローしてもらえた
・アプリ系、インフラ系など職種毎に細かくスカウトブロック設定ができるようになっており、スキルアンマッチな求人紹介は止められた
・「あなたの興味に近い求人」で本当に興味に近い求人が出てくる(今回はここで見つけた求人に応募して内定をもらい、入社に至りました)

【改善してほしい点】
・登録からキャリアアドバイザー(求職者担当)へ繋ぐまでの動線が悪い。コールセンターからヒアリングの電話がかかってくるのだが、向こうの説明の要領が悪すぎて今回はアドバイザーサービス自体断ってしまった(過去に利用した際はキャリアアドバイザーの対応がかなり良かったので残念だった)
・採用プロジェクト担当(企業担当)はリアクションが遅い、電話してもすぐ出ないなど塩対応だった。入社させる気あるのか怪しいレベルだった
・スカウトブロック機能を使わないとメール爆弾がウザい
・入社手続に関する質問をした際「もう企業様と直接やり取り頂いて構いません」と露骨に手を抜こうとしてきやがった

JAC Recruitment

【良かった点】
・企業と求職者の双方に対する支援を一人が行う「両面型」のビジネスモデルのため、どの担当者でも企業の内部情報に明るく、企業側との調整もスピーディーに進む
・一番サポートが手厚く、頼まなくとも面接対策しましょう!と提案してくれる
・過去にこの会社経由で入社に至った際、年収交渉をかなり頑張ってくれた。またランチも奢ってもらった(今は時世的にやってないかも)

【改善してほしい点】
・「両面型」の弊害として、覚えきれない数の担当者からそれぞれ求人紹介を受けるので疲れる
・アポなしで求人紹介の電話をかけてくる担当者が何人もいて迷惑した
・Openworkの点数が3を下回る会社をやたら紹介された
・英語NGと言ってるのに英語必須のポジションをいくつも紹介され、1社は最終面接でそれを理由に落とされた(※求人票には語学力不問とあった)
・内定辞退の際、なかなか断らせてくれない。本当によく粘る(企業側にとっては良いエージェントですね)

type転職エージェント

【良かった点】
・転職理由・志望動機に対して唯一ダメ出しをしてくれた(お陰で良い理由・動機を磨けた)
・紹介求人がピンと来なかったためしばらく放置していたら、担当の上司から「担当者変えますか?」とのフォローアップが来た
・求職者を紹介で○○円もらえるキャンペーンを実施(他社はこの手のキャンペーンを終了している所が多い)

【改善してほしい点】
・そもそも応募したい求人を紹介してもらえなかったので、頑張って取扱求人数増やしてほしい

Spring転職エージェント

【良かった点】
・担当者が最も感じが良く、こちらの要望をよく聞いてくれた
・企業側の内部情報を意外と持っており、参考になった

【改善してほしい点】
・一番書類落ちが多かった。書類の通る確度の高い企業を紹介してほしい(転職回数の多さを理由に落とされたケースなど、応募前に見極めが出来そうなものなのに…)
・応募企業全滅後に求人紹介が露骨に減った。最も感じ良かっただけに見放されたショックが大きかった(怨)

ヘッドハンティングサービス

上記エージェントは直接企業から案件を預かる「求人紹介サービス」に分類されますが、これとは別にヘッドハンターの仲介を行う「ヘッドハンティングサービス」も利用しました。
ヘッドハンター案件は体感として半数以上がコンサル求人で、事業会社もグローバル案件ばかりなので、ハイクラスではない私には合いませんでしたが、一応記載しておきます。

doda X

doda Xは厳密には求人紹介サービスもやっているのですが、自社エージェントも外部のヘッドハンターと扱いが同列なため(何でだろう…)こちらに分類しました。
プラットフォームとしての機能はdodaとは別物で(何でだろう…)dodaとレジュメや希望条件等の情報連携機能は一切なし。登録は二度手間となります。レジュメアップロード機能や日程調整機能も一切なく、全てメールでのやりとりとなるのも不便だったので、次第に使わなくなりました。
GAFA、メガバンク等特定の業界に強いコネクションを持っていると自称するエージェントが多数いましたが、いずれも希望しない業界だったためお断りしました。

ビズリーチ

5年くらい前から使っており、過去の転職では各社エージェントとの接点となったのですが、今回の転職ではレジュメ更新してもなぜか一人も声がかからず、レジュメ閲覧者も0人のまま。この転職回数の多さと年齢ではどこも採ってくれないんだ…と転職活動序盤での自信喪失に一役買ったため、もう使うことはないでしょう。

総評

・取扱求人数最多のリクルートエージェントに加え、独自求人の多いdoda、支援が手厚いJACの3社でほぼ事足りる。もしこれで物足りなければ他社を追加すれば良い
・希望条件を提示し、普通に求人紹介を受けたいならJACが最もおすすめ(グローバル系求人が多いため英語NGな人は要注意)
・自分で求人検索してガンガン応募するならdodaが一番使い勝手が良い(メール爆弾はブロック設定要)
・JTCの社内SE希望ならヘッドハンティングサービスはあまり向かない(メガバンクは除く)

最後に

今回、各社の“礼儀正しさ“や“感じの良さ“という定性評価を記載しましたが、それが必ずしも結果に繋がるとは限らないという点を伝えたかったためあえて書いています。担当者の感じが良いとつい贔屓したくなったり、感じの悪いエージェントに当たったらもう利用するのやめよう、と思いたくなるのが人情ですが、担当は合わなければ変えれば良く、またJACのような「両面型」ならそれも含めて企業との”縁”だと割り切ることも必要です。あまりそこに引きずられず、淡々と進めることが成功に繋がるのでは、と思います。

また、当然ながらこの記事は求職者目線で書いた内容のため、採用企業目線だとまた違った景色が見えるのだと思います。dodaにしかない求人が多い、というのはきっと企業側のメリット(料金が安い、丸投げ出来て便利、等。想像ですが)があるのでしょう。
採用企業側として、もし今利用しているエージェントがイマイチだと思われている場合、採用側の利点だけではなく、求職者目線で見直してみるのも良いのではと思います。

転職活動中のみなさまに良い転職先が見つかることを祈っています。
それでは。

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