限界突破

どうにも、わたしの周りには妙にお酒に強い人が多い。昼から何軒ハシゴしてもケロッとしている友人たちをわたしは尊敬している。

そんな彼女たちと飲むと、男はムキになって負けじと飲むのだが、お酒は限界突破するための道具でも何でもないので、嗜む量を知っている彼女たちが結局勝つというオチである。

わたしはというと根っからの下戸で、ほんの一口でも酔える女である。なので、信頼できる人の前でしか飲まないと決めている。
若き頃はお酒の失敗も許せるが、社会人になってまでもやることではないと個人的には思っている。適正量を覚えるのもまた、お酒を嗜む者のマナーである。

お酒というのは強要しても面白くない。とくに粗相の面倒を最後まで見れないのであれば、飲むべきでも飲ませるべきでもないと思っている。
わたしの周りの人たちはその塩梅がわかっていて、見事なままにわたしはお酒に酔うことなく楽しむことができている。

結局、お酒が弱いと分かっていながら勧めてくる人にろくな人はいない。
お酒はあくまでも楽しむためのツールであって、それがないならないで、他の技を使って楽しませるのがマナーである。

お酒はときに味方になり、敵になる。
それが分かる人だけが使える最強の技だと、わたしは確信している。