チョコパイちゃんepisode2

雑魚寝社員旅行ができるぐらい仲良しでカジュアルな職場で働く彼とチョコパイちゃん。
忘れ物を届けたお礼にイルミネーションドライブへと出かけるのだが…。

チョコパイちゃん｜わたなべ　ひめ｜note

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イルミネーションへの道中、その長さに途中で寄ったコンビニ。トイレに出かけたチョコパイちゃんから、連絡が来た。
「何か、飲み物飲みますか？」
お茶が欲しい、と返信した彼。コンビニから戻ってきたチョコパイちゃんの手には、彼の好きなブランドのお茶が握られていた。

「え、これ、」と動揺する彼を横目に、彼女は言った。

先輩、いつもこのブランドのお茶飲んでるじゃないですか。

ここ最近、わたしはここまで観察力の鋭い同性に出会ってこなかったので、新鮮であった。
わたしも彼も、チョコパイちゃんの何気ない行動に度肝を抜かれた。さすが、営業の若き女性エースである。
その後、2人はイルミネーションで手を繋いだ。
チョコパイちゃんからのアクションらしいが、なんとも積極的な女である。

いつもと違う少し濃いメイクのチョコパイちゃんに、彼はいつもと違ってかわいいね！なんて言ったらしい。
職場ではいつもの感じがいいかな、とも言ったそうだ。褒められて嫌な女など、わたしくらいなものなので、大正解だと思う。

次の日、にやける顔を抑えるために彼はチョコパイちゃんへ少しキツく当たったそうだ。
あとで謝ると、「イルミネーション楽しくなかったんかと思ってました。謝罪の代わりに、焼肉で手を打ちます」と言っていたらしい。
なんとも強かで賢い女である。敵に回したくないタイプだ。

ちなみに、チョコパイちゃんという名前の由来は、お茶と一緒に買ってきたお菓子である。
職場恋愛初心者の彼とチョコパイちゃん、こうごご期待！(知らんけど)