見出し画像

「きみの色」を観てきた!と次男。感想言うのが苦手だなんて言うけれど…

海外での注目が急速に高まっているという日本のアニメーション界の山田尚子監督の名を知ったのはつい最近だ。
テレビアニメ「けいおん!」の監督なのだときいて、あ、聞いたことある!と思ったが、内容はみたことがない。でも「聲の形」や「平家物語」もこの監督なのだと聞いて、そうだったんだあ!と驚いた。(こちらもタイトルだけしか知らない)

昨日、この監督の新作映画「きみの色」を次男が観てきた!と話してくれた。
おお!どうだった?おもしろかった?
うん、きれいだったよ、色。音楽も好きだった。
と、話はそこまで。
あれ、もっとなんかないの?と思って他にもきくと
感想言うの苦手なんだよねなんて言う。
ネタばれしちゃっていいの?なんて気をつかう。
次男はこういうところがあるんだよなあ。

20歳の次男は以前からアニメを好んで結構よく見ているようだ。
といってもなんでもかんでもという感じではなくて好きなものをみつけるとのめりこむタイプ。
「きみの色」は早々に気になっていたようで早速見に行ってきたらしい。

彼が今一番夢中なのは編み物で、自分の着たいものを作るというテーマで挑戦している。私は編み物はマフラーと手袋を編んだことがある程度だから技術についてはなんにも頼りにされていないが、色の組み合わせなどは相談されることもあって一緒にああだこうだと言いあうのが楽しい。

しかしなんだかちょっと撃たれ弱いというか、私が次男の考えを否定したり、簡単に結論を出すので「もっともっともっと考えてみた方がいい」などと強く言うとたちまち「もういいや」な雰囲気になる。

この「きみの色」の感想ももっとぐいぐい来てほしかったから、ぐいぐい質問しそうになったが、
また、しゅっと貝の中に隠れてしまうみたいに心を閉ざしてしまったら大変だと思ってひかえめに探る。
「どんなところが好きだった?」
「この監督の他の作品もみてみたくなった?」
「彼らはどんな設定なわけ?」

彼はぽつりぽつりと気持ちを話すが、どんどん話すわけでもなく
主人公たちの悩みとかわかるなって感じで。まあよくある話っちゃ話なんだけど・・・なんて口もごもご。

ううむ。じれったい。
いやしかしまさにこの「きみの色」の話みたいではないか。

というのも、山田監督が語るこんな箇所をみつけたのだ。
「物を見たり、感じたりする時、人それぞれ言語化できないルールがあるのではないか。トツ子の場合、それが色だった」
「今はSNS(交流サイト)もあり、いろいろな人格を自分の中で形成する若い世代が多くなってきていると感じる。人を傷つけないよう言葉を選び、自分の本音を一番奥にしまい込む人たちもいるのではないか。『好きなものを好きって言っていいよ』『大丈夫だよ』。そんな思いを込めて描いてみた」(日本経済新聞夕刊 8月19日紙面より)

この物語は結局どんなメッセージでおわっているのかなあ。

次男の編み物好きはすごく応援している。
だって本気で好きみたいだから。
でもその好きを「言葉にしてみる」のも大事かもって思ってほしいな。

だって言葉って大きな力だからさ。
君を絶対助けてくれるよ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?