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入院日記8日目退院の日はスタバに寄ってお茶していこーね!

さあ、点滴が始まった。
薬が効くか効かないかは
やってみなければわからないらしい。
それはよくあることではないか、と思う。

今回は私の体内で攻撃してはいけないものを攻撃しまくっているがんばりすぎの免疫くんたちを大人しくさせなくてはいけない。だから今回の薬は免疫をどんどん落とすだけ落としていくのだという。
可能性がある副作用の種類がたくさんあって、ちょっと気になる。

でも体内をパトロールしてくれた他の検査では
どこにも異常がみつからなかったみたいだし
本当にそれはありがたいことだ。
診断された「視神経脊髄炎スペクトラム障害」は
まだまだわからないことも多く、
研究が続けられている病気らしいし、
今回の私の症例が
大学病院のよき研究内容として貢献できたらいいな。
なんて思ってみる。

まずは点滴用の針を刺すのだが
私は血管が細くていつも看護師さん泣かせである。
昨日まで貴重な1本があったけど、頭部RIとかいう検査で造影剤をそこから入れていたら漏れてしまったらしく使えなくなってしまった。(痛かったー)

今日の担当だという女の子は「えー。私できるかなー」と不安そうで「あはは怖いこと言わんでー」と笑っていたがマジ怖かった笑
案の定失敗。次も失敗。「あーやぶれちゃった」
こわいこわいこわい笑
「スペシャリストを呼んできますね!」
ぜひ!おねがいしまっす!と心の中は必死笑
スペシャリストさんは男性で、私の腕をかなり長いことぐるぐるとさがし「ではいきます!」
はい!おねがいしますっ!
ブスーとかなり深くいった。うわ!きゃー!まじー?
でも成功!!さすが!パチパチパチパチ!
もう心底ホッとした。
痛くない!ちゃんと入ってるみたい。
ああーよかった。今日から毎日点滴だからねー。
ほんと、毎回採血も点滴も恐怖である。

午後の面会時間には夫と娘と長男が来てくれた。
長男は先週からちょうど一人暮らしをはじめた。
それも教えてくれたのは6日前で、彼らしいっちゃ彼らしいのだが、絶句した。笑った。

「明日からウィーンに行ってくるわ」
とか、学生の頃は珍しくなかった。
あ、し、た?ですか?しかもウィーンって。
SNSで安い航空券がキャンセルでてさ、ポチッてしたんだ。と笑う。
はあー時代だなあと思う。
もともと旅好きな人だったからかなり気ままに行ってしまう。
「今タイに来ちゃってて…ご飯今日いいです。連絡遅くなってごめんなさい!」ってLINEには呆れた。お兄ちゃんらしいと家族は笑った。
それでこの一人暮らしである。
今週末は元の部屋の掃除をしに来た。
「一人暮らしどうですか!寂しくない?」ときいてみる
「えーっと、さ、びしい、かな?た、のしいかな」と笑う。寂しいはずないやんねーあはは

私の病気のこと、治療のこと、娘の外国手続きに必要な犯罪証明書のこと、息子のお友達や会社の上司のこと、今日の夕飯のこと、みんなアレコレ話して笑って、もういくらでも話せると思った。

娘がスタバのほうじ茶ラテの話をし始めた。
この病院にもスタバがあるのだが、飲みたかったほうじ茶ラテが他2店で売り切れになっていたのが、先週来た時ココのお店にはあったの!だからお父さん買ってくれて飲んだんだーという。ほうじ茶ラテ僕も好き私もーと3人で盛り上がる。
いつものことだが夫はこういう時大体静かに聞いている。

じゃあそろそろ、と別れ、少ししたら娘からLINE。
「おごってもらっちゃった!」
という吹き出しとスタバの写真。あらー。よかったね!
「いいなーお母さんも行けばよかったなー」
私は今何にも美味しいと感じなくてという話をしたばかりだったから娘はすぐにこれは冗談と受け止め、でも
「ほんとだねー!お母さんと来て一緒にケーキも食べちゃえばよかったなー!」と返ってきた。
そしてすぐに
「退院の日一緒いこーね!」
私はこの一連の流れを嬉しく読みながらクククッと笑ってしまった。すぐに娘に書く。
「ふふ。ほんとにさあ、今改めて今思っちゃった。さっきNちゃん(娘)とMちゃん(息子)がほうじ茶ラテの話してたじゃない?だから帰りにお父さんが誘ったんでしょ?行く?って。それをさっき話してる時言えばいいんだよねー。お、じゃあ帰りよろうか!お母さんは残念だけどまた今度ね!そうだ!退院する時いこーか!とかさ!そしたら完璧なのに!」
「笑笑笑笑本当だよねー!」

夫は昔からこんなで、
やるべきことは絶対に間違わずやるキチンとした人だが
こういうちょっとした場面で、えーちょっと違うよねーって感じることが多々あって、私の基準って言ってしまえば私のワガママなのかもしれないが、時には私がイチイチからんでしまうので、本気のケンカに発展することもあった。さっきのスタバももしわたしが娘に書いたみたいなことを言ったら「行きたいって言えばいいじゃないか!」とマジギレされるだろう。そうじゃないってばあ!とまたケンカになるに決まってる。

最近は子どもたちが夫をディスってくれるようになった。子どもたちはたいてい私に味方してくれるのだ。そして笑いに変えてくれる。
「あー。お父さん今のNGだなー。おしい!
お母さん、私がお父さんしばいとくからね。」
子どもたちいなくなっても笑いにできるかなー

夕飯後、
前からずっと読みたかった本を電子書籍で買った。

私は本は絶対紙派!な人だったが、今回は電子書籍便利ー!と嬉しくなった。寝ていて片手点滴していても、めくれて軽い。気ままに病院で買ってすぐ読める。これは本当にありがたかった。
入院中に3巻読めるかな。楽しみ!

娘が連れてきてくれたライチョウさんがスマホを片手に持った時の肘置きにちょうどよい。ライチョウさんが雪山にいるような様子をベッドで再現してみた かわいい!





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