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言葉がたりない、わかりにくいを直したい!

羽田行ったことある?
??羽田なんて行ったことあるに決まってるだろ。

なんでそんな言い方するの?
私は思わずムッとして夫に抗議する。

だって羽田なら何度も行ってるの、知ってるじゃないか。

えーっと、今私なんて言ったかな。
イラついた夫の顔を見ながら、なんで私はこの人を怒らせてしまったんだろう?と考えた。
自分の言った言葉を思い出しながら確認する。

「羽田行ったことある?」
ああほんとだ。全然たりない。
たりないし、わかりにくい。
なんで私こんな言い方したんだろう。

私は夫に何が話したかったのか。
先日娘の留学の見送りに行った時、羽田空港内のお店で食べたものについての感想を言おうとしたのだった。抹茶スイーツが食べられるお店「伊藤園」やうどんのお店「つるとんたん」の話がしたかったのだ。
しかしこの始まり方である。

私は珍しく心底反省した。
夫がイラっとするのも無理はないと思った。

珍しく、というのは、
私はこういうことでいままであまり反省せず、なぜすぐにイラッとするのだろうと夫の様子にばかりすぐに反応しては、うんざりしていたのだ。

でも私は自分がこういう話し方をすることを薄々感じていた。
わかりにくい話し方。
言葉がたりない。
自分だけがわかっているような話し方。

矛盾するようだが、言葉がたりないだけでなく、まわりくどい話し方になることもあり、
結局何が言いたいのかわからない、
え?何の話?というような状況になることが多い。


「羽田空港にあった「伊藤園」に抹茶スイーツがいろいろあってね、美味しかったよ。」
改めて言いたいことをまとめると簡単にわかりやすい文章になった。なんだ、これでいいじゃないか。

そう考えてみると、「羽田行ったことある?」はまるでおかしくて、自分でもこれはなんなんだろう?と思えてくる。なぜここから始めようと思ったのだろう?
まず羽田空港内の様子を知っているかどうかから聞こうと思ったのだ。知っていたら「伊藤園」があることも、その店がどこにあるかということもわかるだろうから「あそこでね、」と話がすすめられると思った。でも羽田空港なんて特別な時にしか行かないような場所である。そこに「行ったことある?」と夫に聞き始めるという自分の思考回路はどうかしてると本気で戸惑う。唐突にこんなことを聞かれたらたしかにイライラするかもしれないと感じた。

羽田空港のことも羽田と言っているしやはり言葉がたりない。羽田空港だって「最近の羽田空港」と聞くべきだった。
無意識のうちに「言わなくてもわかってくれるだろう」という気持ちがあるのだろうか?
仕事仲間や友人にはもう少し気を遣って話すのではないだろうか。


レジの仕事をしていて、こういう「言葉がたりない」場面がよくある

「コーヒーちょうだい」
「温かいのと冷たいのどちらにされますか?」
「温かいの」
「サイズはどうされますか?」
「レギュラーで」
「S、M、L、メガとありまして…」
「Sで」
このやりとりはかなり多い。
普通のコーヒーちょうだいと言われることもある。

また「オムツがほしいのよね。」と唐突に言われたりすることもある。
「大人用ですか?子ども用ですか?」

商品を売る場面だからこんなふうにいちいち確かめる必要がある。でも友達同志の会話でこんなに確かめなくてはいけない項目がある内容だったら、ちょっと相手の不親切さが気になってしまうかもしれない。
そう、不親切と感じるだろう。
だから夫も不快になったのだ。

以前、とてもわかりやすく話す人がいた。
子供の通う小学校で図書ボランティアをやっていた時、一緒に活動していていろいろなアイデアを出してはそれらをわかりやすく説明した。
この人の話はすごくわかりやすいなあ!とすぐに感じた。
どこがどうちがうのだろう?
謎が知りたくて、注意深く聞いてもみたが、
彼女の話し方にどんな特徴があるのか、
私の話し方とはどうちがうのか、わからなかった。

なぜ私はわかりにくく話してしまうのか。

話をする時は「話したいことがある」訳だからまずそのことが頭の中に浮かぶのだが、さあどんな順番で話そうかと考え出すと混乱してくる。

話したいことをはやく伝えたい。

でもそれだけなら、先ほどのコーヒーの注文のように話したいことだけを言ったほうがわかりやすいではないか、と思えてくる。
でもわかりやすく話す人は、伝えなくてはいけない項目をもらさず盛り込んで話しているはずなのだ。


これは確認しておいたほうがいいだろうか、これはたぶん聞いたらくどいよねとか無意識のうちに、しかも瞬時に、話す相手によって情報を整理しているはずであり、
わかりやすく話す人はその文章の整理の仕方が的確なのだ。
私はそこでつまづいている。
わかりやすくしたいのに、
むしろこじらせてしまう。

直したい。以前からずっと思ってきた。

夫だから身内だから不快な気持ちをぶつけてもこれたろうが、友人や仕事仲間は私にそんな態度をする訳にもいかずモヤモヤさせていただろう。
私の話し方は不親切に感じるに違いない。
いままでの夫婦喧嘩の発端にもかなり貢献しているのではないか。

人と会話をする時、まず相手の言葉から瞬時に読み取ろうとすることがある。
いまからどんな話が始まるのか?
何を話し始めるのか?ということ。
冒頭の「羽田行ったことある?」はまさにそれが見えない始まり方だ。だから夫はとにかく行ったことがあるかないかを答えようと思ったのだろうが、なんで今更そんな質問するんだ?なんの必要があるんだ?なんの話だ?とだんだんイライラしてきたのだと思う。

いや、いまこれを書いていても、私の「羽田行ったことある?」は全く不適切だったと思うし、その説明をしているこの文章もわかりにくい!
なんだかいろんな方向に話が行ってしまっているような気がする。

わかりにくいことはわかるのである。
どう直していいのかがわからない。

どんな訓練が効果的だろう。
どんな意識をしていけば改善されるだろうか。

直したい!
切実に思う!



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