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古書店街の休日

久し振りに子ども不在の完全な休日を貰ったので、神保町に来た。

看板が密集していてかわいい

ぶらぶら歩くのに神保町よりも良い街はないとされている。だって本屋ばかりだから。

野晒しの本が各所にある

高校生の頃、BUMP OF CHICKENというバンドにドハマりしていた時期がある。なんでハマったんだっけ?多分その頃の同級生の影響だった。その子は親とロックフェスティバルに行くくらいの筋金入りのファンだったけど、私はそんな大胆なことはできないから粛々とCDを集めるだけの地味なファンをやっていた。

バンプは今でこそテレビに出るようになったけれど、私が一番熱狂的なファンをやっていた頃は絶対にテレビには出ようとしなかった。ボーカルである藤原基央の"ブラウン管の前で評価されたくねえから"発言はあまりにも有名だね。”液晶ならオッケーなのかよ”などの使い古されたユーモアは止すとして、とにかく、バンプに関する情報を集めるにはその頃のテレビは全く役に立たなかった。

そこで雑誌である。当時バンプはROCKIN’ON JAPANのロングインタビューを受けることが多かった。多分鹿野淳との相性が良かったんだと思う。ROCKIN’ON JAPANはバンプのファンになってからは必ず毎月買うようになった。近所の本屋でアーカイブも買った。インタビューを何度も何度も読み、それでもまだバンプに関する文章を読みたくて仕方がなかった私が思いついたのは、近所の本屋には置いていないレベルの古い雑誌を読むことだった。

それで辿り着いたのが、神保町のブンケンロックサイドだった。今日久し振りに前を通ったので入店した(写真はない。神保町の古書店は写真を撮るのを躊躇うような雰囲気の店構えが多い)。

所狭しと並べられた古い音楽雑誌、本棚と本棚の間の狭い通路、20年前(もうそんなに経つのか)と店の中は全く変わっていなかった。当時の私は高校生の女の子だったわけだが、とてもじゃないがスッと入っていけるような店構えでもないのによく果敢に突入したもんだなと思って、過去の自分の大胆さにちょっと感心した。やるじゃん。ブンケンロックサイドで買った雑誌はいまだに実家に置いてある。当時の私が最新号として買ったロック雑誌も、2023年の今は古本として取り扱われていた。

最近4歳児に絵本ブームが訪れて、休日は多いと数十冊の本の読み聞かせを迫られるようになった。嬉しいやらしんどいやらである。ご存知の通り私が無類の本好きなので、読み聞かせだけは断らないようにしている。

それにしても、0歳から延々読み聞かせをし続けて、4歳になってやっと本に興味を持つようになってくれた。4歳児の部屋とリビング両方に子ども用の本棚が置いてあり、どちらで遊んでいても本を手に取れる仕組みにしておいたのがやっと功を奏した。

ここの本屋に行ったのだけれど、絵本のラインナップが良くて入店すると必ず数冊の絵本を買ってしまう。私は説教くさくなくて、のびのびした絵本が好き。

今日はこれを買った。表紙の絵がいい。のろまな流れ星の物語。

私は外出する時もあまり子どものために物を買ったりはしないのだけれど(本人が選ぶ楽しみもあると思っているから)、絵本だけは別だ。本はあればあるほど良いとされている。今気に入らなくても、何年か後に娘の心に寄り添ってくれる本かもしれないと思うと反応が悪くても全く気にならないのだった。

今日はとにかく寒かったから、長い時間外を歩いているのがしんどくて、数メートルごとに本屋や古書店に入店しながら帰った。

ここの古書店は比較的店構えがフレンドリーで入りやすい雰囲気だった。出入り口が広く取られていて入店がしやすく、店内は明るくて本棚と本棚の間隔も広め、初心者向けの店だった。店員さんも若い女性だったのでなんとなくホッとした。

神保町の古書店は高齢の男性が一人で店番をしていて、薄暗く、本棚がぎちぎちに詰まっていて地震が起きたら即死しそうな店が多い。通路がドンキホーテより狭い。ああいう店にスルッと入れるようになりたいものだが、びびってしまっていまだに入れない古書店が神保町にはたくさんある。

私の魂の故郷こと三省堂書店が改修工事をしていることを確認して帰宅した。今日仮店舗に行くつもりだったのに寒すぎて諦めてしまった。

御茶ノ水駅、『すずめの戸締まり』の聖地だ〜と思いながら通り過ぎようとしたらちゃんと自動販売機がそれ仕様になっていて偉かった。御茶ノ水駅、ずっと工事をしている印象があったけれどとうとう今年完成する予定らしい。

Big Love…