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子どもにとっての『癇癪』ってなに?

子育てのお悩みの中で、『癇癪』を起こすことに困っています…というテーマはとても多いです。

どのように対応するか?が気になるところではありますが、じつは子育てに手っ取り早くどの子にも通用する『対処法』はないのです。

『子どもを理解する』視点、『子どもを理解しようとする』在り方が、子育てを楽にしていく。そんな気がしています。
今回は『癇癪』について考えてみます。

癇癪、とは何か

そもそも…子どもにとっての『癇癪』とは何でしょう?
大人にしてみると、思わず“イラッ”としてしまうそんな心境。

自分が思っていたことと、相手や事象との折り合いがつかないときに、予期せぬハプニングに“イラッ”としますよね。

駅の改札を通るときに、横から他人が無理矢理割り込んできた。しかもぶつかりながら…
私はまっすぐ進もうと思っていたのに…
「何なのこの人?」とイラッとする。

そこで、『癇癪』にならないのは、理性が働くからです。
1歳半頃から芽生え始める
ジブンガ!
ジブンデ!
ジブンモ!
ジブンノ!
『自我』

自分であり 我である 
『自分』の土台をつくる大事な時期に、『癇癪』という姿が強く表れます。

うちの子は、すぐに癇癪を起こす
他の子は、おとなしいのに…

『癇癪』を違う視点で捉えてみると
“自分”の気持ちが強い
周りの事象に、瞬時に反応する感性がある

感受性豊かで、思考の回転が速く、意思が強い素質を持つお子さんが、「小さい頃はよく癇癪を起こしていたよね~」となることが多い感じがしています。

癇癪は、嵐の真っ只中

『癇癪』を起こしている真っ最中は、「困ったな~」と思いますが、実は子ども自身が一番「困っている」のです。

豊かな感性で急激に負の感情があふれてしまい
感覚の回転の速さにより、整理がつかない
強い意思があるのでそのエネルギーを抑えきれない

嵐のような状態になっているわけです。

さて、台風や地震が起きたときの対応は皆さんどのようにしているでしょうか?
台風や地震が鎮まるまで、じっと待つのではないでしょうか?
災害が大きくならないように、危険な物は片付けたり、安全な場所に避難したり。

台風や地震を沈めようと、外に飛び出しぶつかっていくことはしないですよね?

『癇癪』も慌てずに、鎮まるまでじっと待つ。が基本です。

では、どのようにして待つか?

●豊かな感受性


豊かな感受性がありますから、触覚による安心感を確かめてみます。
背中をそっとさすってみるなど、触覚からの安心感で落ちつくお子さんもいますし、触られるのも嫌!となるお子さんもいます。

お子さんのタイプを把握して
触覚から安心するようなら、優しくどこかをさすりながら待つ。
触られるのが苦手なようなら、少し距離を置いて「まっているからね」と声をかける。

癇癪を起こしやすいお子さんほど、機嫌がいいときに、ぎゅっと抱きしめたり、少し圧力をかけながら、手足をもみほぐすようなふれあいあそびを楽しんだりしておくと、癇癪の際の安心材料が増えていきます。

●感覚の回転の速さ


感覚の回転が速いので、言葉であれこれ言い聞かせるのは、逆効果になることが多いです。
言葉の一つ一つに瞬時に反応し、心を整理していくどころか、どんどんかき乱してしまいます。また、高い声や大きな声は感覚の速さを刺激し、苛立ちをあおり立ててしまいます。

こちらが、一旦深呼吸をし、低めのゆっくりした声で、「泣き止んだらお話きくね」と伝えてから待ちます。
そのまま、そっとしておくのが遠回りのようで、近道です。

●強い意思がある


癇癪を起こしている時には、エネルギーを放出しています。
一旦出し切る事が大事です。

ですから、癇癪の対応には、一定の時間を必要とします。
台風や地震もその大きさを計測します。
同じように、癇癪も計測してみると冷静に対応できます。
・何曜日の何時何分
・だいたい治まるまでにどのくらいの時間がかかるのか?
・きっかけはなんであったか?
事実を記録に取ってみると、特徴を発見できることもあります。

ちなみに、私の娘の場合は、
夕方6時ごろおなかがすくと、別の事で癇癪を起こす。
みたいなことがありました。

「はいはい…おなかがすくと、何でもかんでも嫌になっちゃうよね~」とこちらが癇癪を逃していく、心のゆとりを発見するデータになっていきます。
中学生になった今でも、
「あー、なんかイライラする!おなかすいたからだ…」と言ったりしています(^_^)。

空腹・眠気・疲労など生理的欲求は感情に大きく影響します。

エネルギーが大きいからこそ、冷静に記録し、データをとり、生理的欲求との関係性を見直してみるのも、ひとつの方法です。

癇癪を、どうにかしようとしない

『癇癪』をこちらがどうにかしようとするのではなく、
『癇癪』を自分の力で鎮めていく経験を重ねることが大事です。
どんなに時間がかかっても、自分の力で泣き止んだときに、「あーよかった、待っていたよ」と受け止めていくと、次の癇癪を切り替えていくときの力として積み重なっていきます。

・苛立った心が安心する距離感
・自分で整理するまで待つ
・生理的欲求との関係性をさぐる

『癇癪』を手がかりに、それぞれのお子さんへの理解を深めていくことができます。

自分を理解されているという安心感が
・豊かな感受性
・回転の速さ
・あふれるエネルギー
をプラスの事に動かしていく力になります。

もしかしたら、大物になるかもしれませんよ!『癇癪』にはお子さんの可能性がつまっています!(笑)

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