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解決を急ぐよりも『保留にする力』を!

保育所保育指針では 「生涯における生きる力の基礎を育む」と あります。
生涯における生きる力の基礎として、大切にしたいひとつの力
『保留にする力』
この力の獲得を見据えていくと、子育ての肩の荷も少し下ろす事ができるかもしれません😊


会社や、義理の親との関係、近所づきあいの 中で


「納得いかない!」 「なんだかモヤモヤする〜!」 

そんなことはありませんか?
そういうときでも、なんだかうまく切り抜けていく人と、モヤモヤ・イライラが募って人間関係をこじらせてしまう人、自分ばかりが我慢して犠牲を払う人、と色々なタイプがいます。
うまく切り抜けていく人を見ていると『保留にする力』があるな〜と思うのです。


幼児期の体験が鍵


イライラして過剰にぶつかってしまうこともなければ、自分だけが背負って犠牲を払い苦しくなることもない。
「まあ、いいか...」と保留にしながら、自分のやりたいことをしっかりと見つめて、前に進んでいく。
諦めるのではなく、保留にしながら、前に進んでいく。

私は、幼少期の体験がとても大切だと考えています。
例えば、ケンカしたときに、仲裁に入りどっ ちが悪かったか?その場で全ての白黒をはっきりさせようとしていないでしょうか?
「ごめんねって言ったの?」「ちゃんと仲直りして!」


3 歳を迎える頃からのケンカは、互いに手を出す事が少なくなってきます。
見守っていると実におもしろい。
「やだった!」「やだった!」と主張し言い合っています。
感情的に手が前に出てしまわないように、手を背中の後ろで組んで、身を乗り出して、言葉でぶつかっています。
散々、エネルギーを出し合ったら、なんだかいつのまにかすっきりして、解決したかしないかはわからないけど、遊び始める。前に進んでいくのです。
過去の出来事となり、こんな事をしている間に、遊ぶ時間がなくなってしまう...とでも思うのでしょうかね。


年長でもケンカはします。 「もう一生、絶交だ!」など意気込んだこと
を互いに言っています。
互いに離れて遊んでいても、1 時間もするとまた仲良く遊んでいる。
「もう一生、絶交じゃなかったの?」と尋ねると、
「俺たちの仲には“ごめんね”はいらないんだ!親友だから!」
などと名言が返ってきます。
ちょっと離れて、保留にしているうちに、気持ちを整理して、前に進んでいる。
子どもたちは、安全の確保だけを確認し、見守っていると、自分なりの『保留』をして、 そこからちゃんと立ち直ってきます。


子どもが持つ、『前に進む力』


関係性が構築されて以降の朝の受け入れ、 日によっては、「ママがよかった~」「パパがよかった〜」とぐずる時期があります。
過剰に関わって、「あれがあるよ!」「これがあるよ!」と気持ちを紛らわして、大人が解決の主人公になってしまうと、その場は進みますが、「ママがいい!」「パパがいい!」の 時期は長引きます。
「そうだね〜ママがよかったね〜」と気持ちは受け止めながらも、近くでそっと待ってみます。
床にゴロゴロしたり、カベの隅っこでじっと他の子の様子を見つめたりしながら、『一 旦保留』という時間を過ごします。
大人はついつい、早く解決する事、今解決する事、そして笑顔で過ごしてくれることを 望みがちですが、 「誰かが手っ取り早く解決してくれる」経験しかなかったら、 生涯における生きる力の基礎となっていくでしょうか?


「できない〜」 「そんなことない!大丈夫!頑張って!」
例えばそんなやりとりは、「頑張っていないといけない」ことをすり込んでしまう可能性もあります。
パンクしたときが大変なことになります。
「そっか〜できないか〜」 と気持ちを受け止めながら、そっと見守り 

『一旦保留』

子どもたちの中には
ケンカしたけど、仲良くあそびたい
できないけど、やりたい
そうやって前に進む力が必ずあります。 そこを信じて、『一旦保留』にする大人の勇気こそが、子どもの心を強くしていきます。
解決のために、色々言葉をかけすぎると、
「すぐに逃げ出す子になるのでは?」
「友達の気持ちがわからない子になるのでは?」
子どもの事を信頼していないことを、アピ ールしてしまうことにもなりかねない。

大人の不安は一旦横に置き、 『保留にする力を育もう』と思ってみると、
「待ちましょう」「見守りましょう」という大人の気持ちにブレーキをかけるよりもずっと肯定的な思いで、子どもとの心の距離を保つことができます。


AI 社会で生きていく子どもたち。
解決能力のスピードがどんどん速くなる時代だからこそ、『一旦保留力』の高い、深みのある人間力を高めておきたいですね!

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