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1歳前後の特徴

噛んだり、たたいたりする姿に対する対応をご紹介すると、1歳前後のお子さんについてのご質問を受けます。
自我(自分で!)も、まだ強くない頃の噛んだりたたいたり…少しだけ意味合いが違うのでご紹介します。

生まれたばかりの赤ちゃんから、1歳の立って歩くようになるまでの成長は
一生の中で最も急速に発達します。

人間の発達で、6歳までに著しいのは「神経系」の発達です。本能として生まれ持つ「感覚」により受け取る刺激が、脳に伝わり、神経と神経がつながりあって脳が発達していきます。

自我が芽生え始めた後の「何か理由がある」ものと違って、1歳前後は反射的、反応的、感覚的に噛んだりたたいたりする姿が多いです。

主にタイプとして
視覚的感覚が強いお子さん
聴覚的感覚が強いお子さん
体感的感覚が強いお子さん
に分かれている感じがします。

視覚的感覚が強いお子さんは、見たものを同時に触りたい、戸が開いたと同時に出てみたい、見えたものにどんどん反応していきます。

聴覚的感覚が強いお子さんは、じーっと見たり聞いたりしてから、泣き出したり笑ってみたり。泣きだしたら、他のものであやしても関心を向けてくれない。などの特徴がある気がします。

体感的感覚が強いお子さんは、たたいて戻ってくる感覚、噛んで戻ってくる感覚、登ってみる、投げてみるなど全身に返ってくる感覚を求めます。

叩く、噛む行為が多いのは、体感的感覚が強いお子さんに多いようです。

きれいにどれか一つということではないので、どれも強いお子さんもいれば、どれもほどほどのお子さんもいるし、どれか一つが突出しているお子さんもいる、個性としては色々です。

1歳前後の噛みつく・たたくは
体感覚的刺激を求めてやっていることが多いので、叱ることが逆効果になります。

子どもにとって、大きな声で叱られることは、強い刺激だからです。

様々な感覚刺激を求めている頃の行動にとっては、大人の大きな反応が面白く、刺激を求めてますます同じことをするようになります。

対応としては、その場の対処で終わりにせず、
遊びの中で感覚刺激を充実していくことを考えていきます。

水あそび 
もともと羊水の中で細胞分裂をしてきた身体は、水の刺激を求めます。お風呂場で、洗面器などに水を入れてパシャパシャ
水面をぺちぺち叩く、カップなどを合わせてカップなどに噛みつきながら遊ぶ。

抱っこでゆらゆら、公園のブランコ大人の膝の上にのってゆらゆら、
揺れを感じる、重力を感じる。

段ボールの箱あそび
出たり入ったり、またげるくらいの高さのもので遊ぶ。
ひっくり返して、たたいたり、歩行ができるようなら持ち上げてみたり、引っ張ってみたり。大きなものを動かして幅の感覚、高さの感覚を楽しむ。

感触遊び
100均などで、人工芝、スポンジなど様々な手触りの生活用品を遊具として置いておき、触ったり、踏んだりつぶしたり、握ったり、噛んだりするあそびを楽しむ。

以上のような遊びを充実させていきます。

このころの姿で、
ティッシュを全部出してしまう。
トイレットペーパーをグルグル出してしまう
カシャカシャなるビニールが好き
カチャカチャなる鍵が好き
お財布や、携帯触りたがり渡すと噛む

これらはみんな、赤ちゃんが体の感覚で、周りの世界を確かめている姿なのです。

ティッシュを全部引き出してしまう姿も、発想を転換すれば、100円もしないもので、20分から30分集中して遊ぶ。
口に入れることは心配ではあるが、日本の製品は衛生的。

のどに詰まらないように見ていてあげれば、口の中で確かめたのちに、ベーッと出します。自分の感覚で確かめ、実感的に捉えたものが、子どもの「わかった!」につながっていきます。

ベーっと出したときに、「おいしくなかったね」と感覚でとらえたことに、言葉を添えていく。
口入れては、ベーと出したときに、「おいしくなかったね」と言われることが積み重なって、「おいしくないよ」という言葉で伝わるようになっていきます。

叩くのはダメ、噛むのはダメ、は大人の価値観だけでは、大切な『感覚の育ち』の経験を狭めてしまいます。

食べる時は噛んだほうがいい。
太鼓など、たたくという文化もある。
トンカチでくぎをたたくなどの技術もある。

自我の芽生え前の小さな子にとっては、単純に人としての『営み』につながる土台としての行為なのです。

1歳頃の、噛んだり、たたいたりする姿は、
うちの子悪い子?と深刻に考えずに
遊びの幅を広げてみることを一緒に楽しみませんか?

(参照元) https://bit.ly/3jH2qjN

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