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ジル・ドゥルーズ& フェリックス・ガタリ『千のプラトー 資本主義と分裂症』 読書メモ(27)

15 結論ーーー具体的規則と抽象機械②


・脱領土化の機能、つまり〈 脱〉 とは 領土 を 立ち去る 運動 で ある。 それ は 逃走 線 の 作用 で ある。 しかし 実に さまざま な ケース が 存在 する。

〈脱〉 は、 これ を 補償 する 再 領土 化 によって 覆わ れ て しまう こと が あり、 この とき 逃走 線 は 封鎖 さ れ た ままである、このような意味で〈脱〉 はあ否定的であるといえる。


・いったい絶対的な〈 脱〉 という もの は 存在 する の だろ う か。 絶対 とは 何 を 意味 する のか。 まず、〈 脱〉・領土・再 領土 化・大地の間の関係をよりよく理解しなくてはならない。


・したがって「 絶対」 とは 以下 の よう な こと を 意味 する。 絶対 は 超越 的 な ものとか、 無差別 な もの を 表わす のでは ない。 すべて の 与え られ た( 相対的) 量 を 上回る 量 を 表わす もの でさえない。それはただ相対的運動とは質的に区別される運動のタイプを表すだけである。


・死 を 匂わ せる 自殺的 組織 の 標的 に なっ た よう に 帯 で 巻か れ、 包ま れ、 超コード 化 さ れ、 接合 さ れ、 全面 包囲 さ れ た 大地。 あるいは また、 生成 変化 として 大地 を 貫く 創造 の 線 に そっ て 強化され、コスモスに連結され、コスモスに導かれる大地(ニーチェの言葉、大地が軽いものであるように・・・・)。


・抽象機械はいくつもの先端を描き出す。だから それ は 領土 的 アレンジメント を 別 の もの に 向け て、 別 の タイプ の アレンジメント、 分子 的 な もの、宇宙 的 な もの に 向け て 開き、 生成 変化 を 構成 する の だ。 だから 抽象 機械 は、 つねに 特異 で あり 内在 的 で ある。


・一般 に アレンジメント は、 輪郭 を もた ず に 物 の あいだ を すりぬける線 を 示し、 機能-物質 に 対応 する 変身( 変形、 実体 変化) の 力 能 を 持つ から こそ、 抽象 機械 と きわめて 近い。


・存立 平面 の 抽象 機械 が、 地層 や アレンジメント を 構成 する 操作 の 全体 を くみ つくす こと が でき ず、 それに 打ち勝つ こと が でき ない 場合 が ある。

地層 は 存立 平面 そのもの に「 こびりつき」、 別 の 平面 の 軸( 実質-形式、内容-表現) に そっ て 組織 さ れ 展開 さ れる 凝固、 凝結、 帯 を そこ に 形成 し て しまう。


・つまり、 アレンジメント に とりわけ 有利 な 異 形成 的 地層 において、 脱 領土 化 を 再 領土 化によって、 特に 脱 コード 化 を 超 コード 化 によって、 または 超 コード 化 の 等価 物 によって 代償 する 抽象 機械 が打ち立てられる。


・存立 平面 を 別 の 平面 によって 包囲 する 地層 化 の 抽象 機械。 全体 化、 均質 化、 閉鎖的接合 を 行なう 超 コード 化 的 あるいは 公理 的 な 抽象 機械。 それ ゆえ あらゆる 抽象 機械 は、 他 の 抽象 機械 にかかわる の だ。

それら は 不可分 な 仕方 で、 政治的、 経済的、 科学的、 芸術的、 生態 的、 宇宙 的 ─ ─ 知覚 的、情動 的、 行動 的、 思想 的、 物理的、 記号 的 で ある ばかりで なく、 その さまざま な タイプ を 交錯 さ せる 一方 で、 それらそれら を 実践 において 競合 さ せる からで ある。〈 機械 圏〉。

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