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カール・マルクス 著『資本論 』(125)  読書メモ

第三巻 資本主義的生産の総過程

第二篇 利潤の平均利潤への転化

第十章 競争による一般的利潤率の均等化。
市場価格と市場価値。超過利潤
一部 の 生産 部面 は、 それ において 充用 さ れる 資本 の 中位 組成 または 平均 組成 を、 すなわち 全く または 近似 的 に、 社会的 平均 資本 の 組成をもっている。

これらの部面にあっては、生産される諸商品の生産価格は、貨幣で表現されたそれらの商品の価値と、全くまたは近似的に一致する他の仕方では数学的限界に達せらないとしても、この仕方では達せられるであろう。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 6 (岩波文庫) (Kindle の位置No.5600). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

われわれ は まず、 相 異なる 諸 生産 部面 における すべて の 商品 が、それらの現実の価値で売られるものと仮定しよう。そのばあいはどうであろうか?

相異なる諸生産部面には、きわめて種々に異なる諸利潤率が行われるであろう。諸商品ががそれらの価値どおりに売られるか(すなわち、それらに含まれている価値に比例して、それらの価値価格で、相互に交換される)ということと、諸商品の販売が、諸商品のそれぞれの生産のために前貸しされた諸資本の等量にたいして等しい大いさの利潤をもたらすような価格で、諸商品が売られるか、ということとは、明らかに二つの全く異なる事柄である。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 6 (岩波文庫) (Kindle の位置No.5645). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

価格 が どの よう に 規制 さ れる に せよ、 次 の よう な 結果 に なる。

  1. 価値法則は価格の運動を支配する、すなわち、生産に必要な労働時間の増減が生産価格を上下させるということを通じて、支配する。

  2. 生産価格を規定する平均利潤は、社会的総資本の可除部分としての所与の一資本に割当てられる剰余価値量に、つねに近似的に等しくなければならない。

一般的利潤率としたがって平均利潤とが、貨幣価値によって計算された現実の平均剰余価値よりも高い貨幣価値で表現されている、と仮定しよう。

このばあい資本家が考察されるかぎりでは、彼らが互いに自分のものに勘定する利潤が、10%であるか、15%であるかは、問題でない。一方の百分率が他方の百分率よりも多く現実の商品価値に相応するわけではない。貨幣表現の誇張は相互的だからである。

しかし、労働者について言えば(彼らは彼らの標準的労働賃金を受取り、したがって、平均利潤の引き上げは、労働賃金からの現実の控除を、すなわち資本家の標準的剰余価値とは全く別なものを、表現しない、と前提されているのだから)平均利潤の引上げによって生ずる商品価格の引上げには、可変資本の貨幣表現における引上げが、対応せねばならない。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 6 (岩波文庫) (Kindle の位置No.5779). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

「 社会的 欲望」、 すなわち 需要 の 原則 を 規制 する もの は、 種々 の 階級 相互 の 関係 と 諸 階級 それぞれ の 経済的 地位 によって、したがってことに、第一には労働賃金にたいする総剰余価値に比率によって、第二には剰余価値が分割される種々の部分(利潤、利子、地代、租税等)の比率によって、本質的に規制されている。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 6 (岩波文庫) (Kindle の位置No.5829). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

市場価値( そして これ について 述べ られ た すべて の こと は、 必要 な 諸 限定 を 加えれ ば、 生産価格 にも あてはまる)は、各特殊生産部面における最良の諸条件のもとで生産する人々の超過利潤を含む、ということが明らかになった。

恐慌と、一般に過剰生産のばあいを除外すれば、このことは、すべての市場価格について、それらがいかに市場価値または市場生産価格から偏倚しようとも、当てはまる。

すなわち、市場価格なるものには、同じ種類の諸商品が甚だしく異なる個別的諸条件のもとで生産され、したがって甚だしく異なる費用価格をもつことがありうるとしても、同じ種類の商品には同じ価格が支払われる、ということが含まれているのである。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 6 (岩波文庫) (Kindle の位置No.6283). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

しかし、 超過利潤 は、 その ほか にも なお、 ある 生産 部面 が その 商品 価値 の 生産価格 への 転化 を、 したがって また その 諸 利潤 の 平均 利潤への帰着を、免れるような状態にあるばあいにも、成立する。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 6 (岩波文庫) (Kindle の位置No.6290). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

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