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カール・マルクス 著『資本論 』(56)  読書メモ

第七篇 資本の蓄積過程
 第二十三章 資本主義的蓄積の一般的法則
  第一節 資本組成の不変なばあいにおける
      蓄積に伴う労働力需要の増加
資本 の 組成 は、二重の意味に解されねばならない。価値の側から見れば、それは、資本が不変資本または生産手段の価値と、可変資本または労働力の価値すなわち労働賃金の総額とに分かたれる比率によって規定される。

生産過程において機能する素材の側から見れば、各資本は、生産手段と活きた労働力とに分かたれる。

この組成は、一方における充用される生産手段の量と、他方におけるその充用のために必要な労働量との比率によって規定される。私は前者を資本の価値組成と名づけ、後者を資本の技術組成と名づける。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 3 (岩波文庫) (Kindle の位置No.3180). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

資本 の 増加 は、その可変的構成部分、すなわち、労働力に転換される構成部分の増加を含む。追加資本に転化される剰余価値の一部は、つねに可変資本、すなわち追加労働原本に再転化されねばならない。その他の事情が同じであるとともに資本の組成も不変である。

すなわち、一定量の生産手段または不変資本は、それが動かされるため生計原本は、資本に比例して増加し、資本が増加すればするほど、それだけ急速に増加する。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 3 (岩波文庫) (Kindle の位置No.3192). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

富者 を 貧者 から 区別 する ものは、土地や貨幣の所有ではなく、労働にたいする支配力である。・・・貧者に適合するものは、劣悪な、あるいは奴隷的な状態ではなく、安易で自由な従属関係であり、財産を有する人々にとっては、彼らのために労働する者にたいする充分な影響力と権威である。

サー・F・M・イーデン『貧民の状態、イギリスにおける労働階級の歴史』

エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 3 (岩波文庫) (Kindle の位置No.3269). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

資本主義 的 生産 において は、労働力が買われるのは、その労役またはその生産物によって買い手の一身の欲望を充たすためではない。買い手の目的は、彼の資本の価値増殖であり、彼が支払うよりも多くの労働の含む商品の生産であり、したがって、彼にとっては何らの費用をも要せず、しかも、商品販売によって実現される価値部分を含む商品の生産である。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 3 (岩波文庫) (Kindle の位置No.3419). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

「 自然的 人口 法則」 と 称する もの の 根底に横たわる資本主義的生産の法則は、簡単に次のことに帰着する。

資本、蓄積および賃金率の間の関係は、資本に転化された不払労働と、追加資本の運動に必要な追加労働との関係にほかならない。

したがってそれは、二つの相互に独立した大きさの、すなわち一方における資本の大きさと、他方における労働者人口の数との関係ではなく、むしろ結局は、同じ労働者人口に不払労働と支払労働との関係であるにすぎない。

労働者階級によって供給され、資本家階級によって蓄積された不払労働の量が、支払労働の異常な追加によらなければ資本に転化されえないほどに急速に増加するならば、賃金は騰貴し、そして他のすべての事情が同じであるとすれば、それに比例して不払労働は減少する。

エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 3 (岩波文庫) (Kindle の位置No.3473). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

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