見出し画像

カール・マルクス 著『資本論 』(98)  読書メモ

第二巻 資本の流通過程
 第三篇 社会的総資本の再生産と流通
  第十八章 緒論
   第一節 研究の対象
資本 の 直接的 生産過程 は、 その 労働 過程 と価値増殖過程であって、商品生産物を結果とし、剰余価値の生産を規定的動機とする過程である。

資本 の 再生産 過程 は、 この直接的生産過程とともに、本来の流通過程の両段階をも包括する、すなわち、周期的過程ーーー一定の期間をもってたえず新たに繰返される過程ーーーとして資本の総循環を包括する。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 5 (岩波文庫) (Kindle の位置No.51). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

この 総 過程 は、 生産的消費( 直接的 生産過程) と、それを媒介する形態転化(素材的に見れば交換)とを含むとともに、個人的消費と、それを媒介する形態転化、すなわち交換とを含む。

それは、一方では、労働力への可変資本の転化を、したがって資本主義的生産過程への労働力の合体を、含む。ここでは、労働者は、彼の商品である労働力の売り手として現われ、資本家はその買い手として現われる。

しかし他方では、諸商品の販売のうちには、労働者階級による諸商品の購買が、したがってその個人的消費が、含まれている。ここでは、労働者階級は、買い手として現われ、資本家は、労働者への諸商品の売り手として現われる。

【私見:会社組織においては、労働者は、自らの労働力という商品を資本家階級へ、売り手として働きかけると、資本家階級は、それに応答して買い手となる。

一方、生活手段としては、労働者は、会社組織から生産された商品の買い手となり、資本家階級は売り手となる。

つまり、資本主義社会は、基本的には、資本家と労働者で成立っている社会であることを、マルクスは、『資本論』で何度も強調している。

ところが、昔から、資本家のみが、栄えて、労働者は、搾取されて、貧困に喘いでいるのであり、これでは、資本主義が、衰退するということも、マルクスは、述べている。

そのために、共産主義だということであったが、これは、見事に大失敗した。だから、どうするのという見通しすら立てられないので、しょうがなく、資本主義を続けている状態であろう】
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 5 (岩波文庫) (Kindle の位置No.69). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?