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カール・マルクス 著『資本論 』(163)  読書メモ

第三巻 資本主義的生産の総過程

第六篇 超過利潤の地代への転化

第四六章 建築地地代。鉱山地代。土地価格
差額 地代 は、 一般 に 地代 の 存在 する ところではどこでも現われ、どこでも農業差額地代と同じ諸法則に従う。自然力が独占されうるものであって、それを充用する産業家に一つの超過利潤を保証するところでは、それが落流であると、埋蔵豊富な鉱山であると、魚類に富む河海湖沼、好位置の建築場所であるとを問わず、どこでも、地球の一部分にたいする彼の名義によって、これらの自然対象に所有者として押印された者が、この超過利潤を機能資本から地代の形態で奪い取る。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 8 (岩波文庫) (Kindle の位置No.3747). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

地代からは独立した、生産物または土地 そのもの の 独占価格 が 存在 する ので、 地代 が 独占価格 から 流出 する のか、 それとも、 地代 が 存在 する から、 生産 物 が 独占価格で売られるのか、この二つを区別する必要がある。

われわれが独占価格と言うときには、一般に、生産物の一般的生産価格によって規定される価格によって規定される価格からも、生産物の価値によって規定される価格からも独立に、ただ買い手の購買意欲と支払能力とによってのみ規定されている価格、を意味する。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 8 (岩波文庫) (Kindle の位置No.3811). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

われわれ は、 以下 に 述べる 土地 価格 の 研究 では、 一切 の 競争 上 の変動を、一切の土地投機を、あるいは、土地が生産者の主要用具をなし、したがってどんな価格ででも彼らによって買われねばならないという小さな土地所有者をも考慮外に置くことにする。

  • Ⅰ 土地の価格は、地代が上昇することなしに、上昇しうる。すなわち、
    1. 単なる利子率低下によって。これは、地代がより高価に売られ、したがって資本化された地代である土地価格が上昇するというように作用する。

    2. 土地に合体させられた資本の利子が増大することによって。

  • Ⅱ 土地価格は、地代が増大することによって上昇しうる。

    地代は、土地生産物の価格が上昇することによって、増大しうる。このばあいには、最劣等耕作地における地代が大きいか小さいか、または全然存在しないかを問わず、つねに差額地代の率が上昇する。

    われわれが率というのは、剰余価値にうちから地代に転化される部分が、土地生産物を生産する前貸資本にたいしてなす比率のことである。これは、総生産物にたいする超過生産物の比率とは異なる。

    なぜならば、総生産物は、前貸資本を全部は含んでいないからである。すなわち、生産物とならんで存続する固定資本を、含まないからである。

    これに反して、差額地代を産む諸土地種類においては、生産物中のますます増大する一部分がより以上の超過生産物に転化されるということのうちには、この率が含まれている。最劣等地では土地生産物の価格上昇が、初めて地代と、したがって土地の価格とを作り出す。

  • Ⅲ 地代としたがって土地価格一般の上昇の、または個々の土地種類についてのその上昇の、これらの種々の条件は、一部は競争しえ、一部は相互に排除し合ってただ交替的にのみ作用しうる。

    しかし、展開されたところからは、次のことが出てくる。すなわち、土地価格に上昇から直ちに地代の増大は推論されえないということ、また、地代に増大ーーーこれはつねに上昇を伴うものであるがーーーから直ちに土地生産物の増大は推論されえないということ、である。

エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 8 (岩波文庫) (Kindle の位置No.3848). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

新たな諸発明によって、ここでも 個々 の 改良 は なさ れ うる が、 しかし、 生産力 の 発展 を 与え られ た もの として 前提 すれ ば、 機械 は、 ただ 悪化 し うる のみ で ある。 生産力 が 急速 に 発展 する ば あいには、古い機械装置全体が、もっと有利なものによって置換えられねばならず、したがってなくなってしまわねばならない。

これに反して土地は、正しく取扱われば、たえず改良される、以前の投資投下が失われることなしに、逐次的諸資本投下が利益をもたらしうるという土地の長所は、同時にこれらの逐次的諸資本投下に収益差の可能性を含んでいるのである。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 8 (岩波文庫) (Kindle の位置No.3969). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

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