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カール・マルクス 著『資本論 』第一巻   第四篇 第十章、第十一章、第十二章 読書メモ

カール・マルクス 著『資本論 』読書メモ(1)~(172)をすでに投稿済ですが、第一巻 第四篇 第十章、第十一章、第十二章に目次をつけたものを再掲載します。。


第一巻 資本の生産過程

第四篇 総体的剰余価値の生産

第十章 相対的剰余価値の概念 

われわれ が 労働 の 生産力 の 増大 という のは、ここでは一般に、それによって一商品の生産に社会的に必要とされる労働時間が短縮され、かくてより少量の使用価値を生産する力を獲得する労働過程における変化を意味する。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 2 (岩波文庫) (Kindle の位置No.4643). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

労働日 の 延長 によって生産される剰余価値を、私は、絶対価値と名づける。これにたいして、必要労働時間の短縮、および、それに応じて労働日の両構成部分の量的比率が変化することから生ずる剰余価値を、ーーー相対的剰余価値と名づける。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 2 (岩波文庫) (Kindle の位置No.4657). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

第十一章 協業

同一 の 生産過程 において、 または 相 異なっ ては いる が 関連 の ある 諸 生産 過程 において、計画的に相並び、相協力して労働する多数者の労働の形態を、協業という。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 2 (岩波文庫) (Kindle の位置No.4909). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

多数 の 者 が 同じ こと、 または 同種 の こと を、 同時に 協力 し て 行なうにもかかわらず、各人の個別的労働が総労働の部分として労働過程そのものの種々の段階を、協業の結果として、労働対象がより急速に通過することがありえる。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 2 (岩波文庫) (Kindle の位置No.4954). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

個々 の 資本家 の 手中 における 比較的 大量 の 生産手段 の 集積 は、 賃金労働者 の 協業 にたいする物質的条件であって協業の程度、または生産の規模は、この集積の程度に依存する。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 2 (岩波文庫) (Kindle の位置No.5057). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

協業 によって 展開 さ れ た 労働 の 社会的 生産力 が 資本 の 生産力 として 現われる よう に、協業そのものは、分立した独立労働者あるいはまた小親方の生産過程に対立する、資本主義的生産過程の一特殊形態として現われる。

それは、現実の労働過程が、資本に従属することによって受ける最初の変化である。この変化は自然発生的に生ずる。

その前提である、同一の労働過程で比較的多数の賃金労働者を同時的に使用することは、資本主義的生産の出発点をなす。この出発点は資本そのものの出現と一致する。

ゆえに、一方で資本主義的生産様式が、労働過程の社会的過程への転化のための歴史的必然として現われるとすれば、他方では、労働過程のこの社会的形態は、労働過程をその生産力の増大によって、より有利に搾取せんがために、資本が用いる一方法として現われる。

これまで考察された単純な態容においては、協業は、比較的大規模な生産と一致するが、しかし、資本主義的生産様式のある特別の発展時期の固定的特徴的形態をなしていない。

それがほぼこのような形態をなすものとして現われるのは、せいぜい手工業的な初期の工場手工業においてであり、また、工場手工業時代に相応したそして本質的には同時に使用される労働者の多数なることと、集積された生産手段の量とによってのみ、農民経営から区別されるような一種の大農業においてである。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 2 (岩波文庫) (Kindle の位置No.5185). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

協業 の 単純 な 態 容 そのもの は、 その さらに 発展 し た 諸 形態 と ならん で 特別 の 形態 を なすにしても、協業が、つねに資本主義的生産様式の基本形態であることに変わりはない。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 2 (岩波文庫) (Kindle の位置No.5207). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

第十ニ章 分業と工業手工業 

第一節 工場手工業の二重起源

分業 に 基づく 協業 は、 工場 手工業 において、その典型的な態容を作り出す。それが資本主義的生産過程の特徴的形態として支配的に行われるのは、大約16世紀の半ばからから18世紀の最後の3分の1期に至る、本来の工場手工業のことである。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 2 (岩波文庫) (Kindle の位置No.5213-5214). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

工場 手工業 は 二重 の 仕方 で 発生 する。

一つのばあいには、一生産物が最後の完成に至るまでに手を通らねばならない種々の種類の独立手工業の労働者たちが、同一の資本家に指揮の下にある一作業場に結合される。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 2 (岩波文庫) (Kindle の位置No.5217). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

しかし 工場 手工業 は、 これ とは 反対 の 仕方 でも発生する。同一のこと、または同種のことを行なう、たとえば、紙または活字または針を作る多数の手工業者が、同じ資本によって、同時に同じ作業場で使用される。これはもっとも単純な形態における協業である。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 2 (岩波文庫) (Kindle の位置No.5254-5255). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

したがって 工場 手工業 は、 一方では生産過程に分業を導入し、あるいはそれをさらに発展させるのであり、他方では従来分離していた諸手工業を結合するのである。

しかし、その特殊の出発点がいずれであろうとも、その最終態容は同じものーーー人間をその諸器官とする一つの生産機構である。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 2 (岩波文庫) (Kindle の位置No.5282). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

第二節 部分労働者とその道具
さらに詳細にみるならば、まず第一に明らかなことは、終生 一つ の 同じ 単純 作業 に 従事する労働者は、彼の全身を、この作業の自動的一面に転化するのであり、したがって、一連の諸作業をつぎつぎに行なう手工業者よりも、その作業のために消費する時間が少ない、ということである。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 2 (岩波文庫) (Kindle の位置No.5298). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

第三節 工場手工業の二つの基本形態ーーー異種的工場手工業と
有機的工場手工業

工場 手工業 の 構成 には 二つ の 基本 形態 が あっ て、それらは時に絡み合っていることもあるが、二つの本質的に異なる種類をなし、またとくに、後に工場手工業が機械をもって営まれる大工業に転化する際にも、全く異なる役割を演ずる。

この二重性は、製品そのものの性質から生ずる。製品は、独立した部分生産物の単に機械的な結合によって作られるか、またはその完成態容が一系列の関連ある諸過程や諸操作によって作られる。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 2 (岩波文庫) (Kindle の位置No.5399). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

第四節 工場手工業内の分業と社会内の分業

ただ 労働 自体 のみ を 眼中 に 置く なら ば、農業、工業等のような大部門への社会的生産分割を一般的分業、これらの生産部門の種および亜種への分割を特殊的分業、一作業場内の分業を個別的分業と呼んでいる。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 2 (岩波文庫) (Kindle の位置No.5730). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

社会 内 の 分業 と、 それに対応する個人の特殊職業部面への限定とは、工場手工業内の分業のように、反対の出発点から発展する。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 2 (岩波文庫) (Kindle の位置No.5744). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

すべて の 発展 し た、 商品 交換 によって 媒介された分業の基礎は、都市と農村の分離である。社会の全経済史が、この対立の運動に要約されると言いうるのであるが、しかしここでは、この対立には、これ以上立入らないことにする。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 2 (岩波文庫) (Kindle の位置No.5770). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

各 労働者 は、 一つの全体のある部分のみを生産するのであり、そして各部分は、それ自身価値または効用をもたないのだから、労働者が手につかんで、それは私の生産物だ、これを自分のものにしておこう、と言いうるものは何もない。

T・ホジスキン著『労働擁護論』

エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 2 (岩波文庫) (Kindle の位置No.5899). 株式会社 岩波書店. Kindle 版. 

第五節 工場手工業の資本主義的性格

単純 な 協業 と 同じく、 工場 手工業 において も、機能しつつある労働体は、資本の一存在形態である。多数の個別的部分労働者から組立てられた社会的生産機構は、資本家のものになっている。

それゆえ、労働の結合から生ずる生産力な、資本の生産力として現われる。本来の工場手工業は、以前は独立していた労働者を、資本の指揮と規律とに服せしめるのみではなく、そのうえに労働者そのもののあいだの等級制的編成を作り出す。

単純な協業は、個々人の労働様式を大体において変化させないが、工場手工業は、それを根底から変革して、個別的労働力の根本を捉える。

それは生産的衝動と素質の総体を抑圧することによって、労働者の局部的熟練を温室的に助長して、彼を不具にし、奇形物とする。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 2 (岩波文庫) (Kindle の位置No.6019-6021). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

分業 に 基づく 協業、 または 工場 手工業 は、その初期においては、自然発生的な一形成物である。その存在が、やや堅実となり広汎となるにいたって、それは資本主義的な生産様式の意識的、計画的、体系的な形態となる。
エンゲルス; 向坂 逸郎. マルクス 資本論 2 (岩波文庫) (Kindle の位置No.6146). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

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