ウクライナで戦争が起きた理由とそれがなかなか終わらない理由
「ウクライナで戦争が起きた理由とそれがなかなか終わらない理由 」というタイトルで、東京大学先端科学技術研究センター専任講師でロシアの軍事問題の第一人者である小泉悠氏がゲストと社会学者の宮代真司ジャーナリストの神保哲生氏が議論していた。
宮台氏は、襲撃事件後、すぐに、マル激に復帰していましたが、リモートでの出演だったが、今回は、ビデオニュース・ドットコムのスタジオでの出演でした。
ウクライナでの戦争が起こった原因については、色々言われていて、その中でも、NATOの東方拡大を脅威と感じたロシアが、ウクライナのNATO加盟だけは阻止するために侵略したというのが、主な理由としてあげられているが、小泉氏は、これを否定する。
プーチンとしては、ウクライナは元々、ソ連時代から同じ国を形成しており、民族的にも文化的にもロシアと同質性が高いと考えており、そのウクライナが、西側陣営となると、ロシアにもその影響が及ぶことを、恐怖に感じたので、それを阻止するために、侵略したのだと小泉氏は指摘した。
いつ戦争が終わるかについては、残念ながらこの戦争の出口は未だに見えてこないということであった。
小泉氏は、ロシアの軍事問題の専門家であるが、反プーチン派であり、プーチンがロシアを支配している間は、ロシアに行くことはないとおっしゃっていた。
親ロ派の佐藤優氏は、小泉氏について「年内にロシア軍を全部追い出す」と言っていたと指摘していたぐらいだから、反プーチンであることは明白ではあった。
しかしながら、小泉氏に限らず、2月24日に、ロシアがウクライナ侵略した当初は、日本では、共産党までが、「悪いのは侵略したプーチンだ」とロシア批判をしていたぐらいだから、当然だろう。
ところが、2022年6月、フランス人のエマニェル・トッドが『第三次世界大戦はもう始まっている』を刊行して「悪いのは西側だ」と書いたので、雰囲気が変わってきた。
さらに5月23日にヘンリー・キッシンジャーがダボス会議にリモートで参加し、戦争について「2ヶ月で停戦しなさい」と警告していたことも、世界に大きな衝撃を与えた。
佐藤氏による戦争終結への三つのシナリオは、
①正義のウクライナが勝利して、ロシアをドンパスのみならずクルミアも含めて全部追い出すこと。
②逆 に、 ウクライナ に ロシア の 傀儡政権 が 誕生 する。
③どこ かで膠着 状態 に なる。 そして ウクライナ の 東部 と 南部 は ロシア が 併合 し、 西部 を 拠点 に する 非常 に 反 ロシア 的 な 国家 が でき、 残り の 地域は中立化する。
今の状況からは、③になる可能性は高いと思える。
ウクライナが大変なのは、勿論だが、ロシアからのガス供給を制限されている、西欧諸国も、大変だろう。チキンレースの様相すらある。
一方日本では、火事場泥棒よろしく、原発の再開案が、どんどんと進んでいる。さらに、憲法9条をないがしろにする敵基地攻撃能力の保有を政府が決めた。
温和と思われていた、岸田首相の下で、安倍元首相以上の強行な政策が次々と打ち出されていることに驚く。もう、居直っている感がする。
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