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感情はデコルテに

「泣きたいのに、うまく泣けないんだよね」
ある夜、そんな話になった。
「泣くか、大声をだすか、したかったんだけどどっちもできなくて苦しかった」と。

「そんなときってあるよね」なんて簡単に共感するのもどうかと思ったけど、ちょうど自分も数時間前にそんな気持ちを抱えていたので、素直に共感した。

「別の友達には、泣くほど悲しくなかったんじゃない?って言われて、なんとなく納得したんだけど」と言うのを聞きながら、泣きたい理由は悲しさだけじゃないよなと思った。悔しさなのか不安なのか、突然襲ってくる、泣きたい瞬間。そしてそういう時にかぎってうまく泣けないことが多い。

その話を聞いて泣きたいのに泣けない時の対処法を思い出したので、ここに書いておきます。

光野桃さんの著作『感じるからだ~からだと心にみずみずしい感覚を取り戻すレッスン』で、わたしのからだの師匠が紹介しているものです。

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泣きたいのに泣けないときは
【提案:デコルテをとんとんしてみる】
やり方
①一人になれる場所で仰向けになる
②デコルテ全体を揃えた指や軽く握った拳でリズミカルにたたく(とんとんとん)
③叩かれている胸を感じる
④とんとんにあわせて声を出す「あーんあんあん」や「えんえん」など泣きまね
もしくは「ウーン」でもなんでも
⑤からだを感じる
⑥感覚にまかせる

声量は自分が気持ちいいと感じる大きさで。たたく強さも、自分が気持ちいいと感じるつよさで。

「デコルテは感情の場所といわれていて、感情がつまると、少しさわったたけでも飛び上がるほど痛い」そんな風に師匠は本のなかで言っています。

ここで、本からの引用を少し。

「声を出して、からだの内側に共鳴したのを感じましたか」
Mさんが言った。
「だから泣きたくなったのでしょうか」
「からだが共鳴すると、それだけでゆるんでくるんですね。ゆるむと、感情の滞りもゆるんでほぐれて、流れ出してくる。それで泣きたくなるんだと思います。」
それにしても、泣くことを自分に許すということはなんと抵抗感があるのだろう。
「いつもこうして泣きまねしてくださいね。そうするとゆるみますから」


なにも感じなくても、色々感じてもいい。
ただその感覚を受け止める。

がんばらないといけない毎日で、わたしたちの心はとても強く、ぎゅっと、負けないように立っている。だからすぐにはゆるまないかもしれない。ゆるむのが、泣くのが恐いかもしれない。
だけどそれでもやってみたらいいんじゃないかと思うのです。
なんとなく胸をとんとんしてみる。それが変化のはじまりになる。最初はこわくても、きっと少しずつ受け入れられるようになる。

まったくの一人になる時間がなかなかないかもしれない(わたし自身そうだ)
泣きたい気持ちになったときに一人とは限らない。だからいつでもいいのでチャンスを見つけたら、ためしてみてほしい。

横になって、胸をのっく。

最後までありがとうございました。