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『スタンフォードの自分を変える教室』(ケリー・マクゴニガル)

脳科学的な観点から意志力を鍛えよう。
そして自己管理できる人間になろうという趣旨の本です。
テーマは「意志力」。人間はみな自分の意思が弱いと思いがちです。
※前に「意思力なんて関係ない」という本のレビューを書きましたが、これは意思力について研究した本です。

意思力が欲望に負ける理由

また余計な買い物してしまった…
また夜食食べてしまった…
スマホを見て時間を潰してしまった…
 
誰もが経験する事象に脳科学の視点から理由を説明します。
例えば、ダイエット中のあるある事例を出します。

1. 美味しそうなケーキを見てしまい、食欲が刺激される。
2. ケーキは欲望のトリガーとなり、脳ではドーパミンが大量に分泌される。
3. 脳がケーキを食べたくて仕方ない状態にさせるので、ついつい食べてしまう。。

 ちなみにドーパミンですが、快感と多幸感をもたらす性質があります。
皆さんも経験あるかと思いますが、欲望のトリガーが入っている瞬間が一番幸せではないでしょうか?
 
しかし食べ終わったあとはどうでしょう? 幸せですか?
 
本書ではとある実験を行っています。
被験者を集めて「欲望を満たした瞬間が幸せか?」というアンケートをとったそうです。なんと多くの被験者が「幸せでない」と回答したそうです。
 
これはなぜでしょうか。それもドーパミンの仕業になります。
 
欲望のトリガーが入った瞬間はドーパミンが大量に分泌されるのですが、欲望をすべて満たしてしまった瞬間には、ドーパミンはもう分泌されなくなるのです。
 
ドーパミンはなんと都合のよい奴なんでしょうか!!

そうはいってもドーパミンとどう付き合えばいいの?

ダイエット中の人間がケーキを思わず食べてしまったとき、あとに残るのは罪悪感だけという感情は、ドーパミンの分泌がないことが原因になります。

 さて、この仕組が分かったところでどうすべきなのか?
 本書では「すべての感情を受け入れることから始めよう」としています。
このように対処してみましょう。

例)お菓子を食べたくなったら…
1. 「自分はいま欲望のトリガー状態になった」と意識する。
2. そのときの感情をノートか、スマホのメモアプリにでも書き留める。
3. 次は欲望に負けてみる。
4. 欲望を満たしたときの気持ちを書き留める。
5. 後日また同じ欲望のトリガー状態になったら、4.のメモを読み返す。


 欲望は沸き上がっていますが、
「短期的なの幸せを選択するのか」
「長期的なダイエットという目標を優先するのか」
を考えてみてください。
 
それだけで抑止力はかなり高まるというロジックになります。
 
悪い習慣をやめて、良い習慣を作れる人間になりたい! 
と思っている皆様に本書はおすすめではないかと思います。


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