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【FACTFULNESS】恐怖本能により事実誤認する人間に告ぐ。事実に基づく正しい認識を持とう!

本日は『FACTFULNESS』(ハンス・ロスリング)を紹介します。

思い込みによる事実の認識違いが多すぎる

「世界は良い方向に進んでいる」と思う人はどれぐらいいるのだろうか。少なくとも私は人間の活動によって、悪い方向へ進んでいると思い込んでいた。世界は先進国と後進国に分断され、貧困に喘ぎ、一部の人間が富を独占していると思っていた。
しかし筆者はそれがネガティブなバイアスで歪められた風景であって世界を正しく見れていないと指摘してくれる。本書のテーマは「事実に基づいて世界の見方を広げること」なのだ。

実際に思い込みによる認識違いは多く、「世界の人間の平均寿命は?」という三択クイズがいくつも本書で紹介されている。そこで面白のが人間の正解率よりチンパンジーの正解率の方が高いというのだ。チンパンジーはランダムに三択から選ぶから33%の正解率になるが、人間は思い込みによって間違った選択肢を選んで正解率は10%ぐらいだったそうだ。(ちなみに世界の人間の平均寿命は70歳だそうです)

人間にはネガティブな方へ考える恐怖本能がある

筆者は客観的なデータを掲げ、多くの人が思い込みがちな10の視点を提示している。例えば先進国と後進国の単純な二分ではないと述べている。50年前は確かに二分されていたが、今は貧しい順にレベル1からレベル4までに分かれていて、ほとんどの国が今やレベル2以上より上に位置している。
ではなぜ事実と異なる見方をしてしまうのか。人間の本能レベルでネガティブな情報を集めたり、焦りや恐怖の方向へ考えてしまうのだ。
メディアは人間の本能を利用してネガティブなニュースを流し、視聴者はそれに反応し、多角的に分析することなく、一部分の情報だけを受け取り、恐怖の方向へ考えてしまうのである。

実際に私も同じで、今はそこまでじゃないけれど、10年ぐらい前は全体を俯瞰してない一部の情報だけで全てを分かったような気になり、犯人を探し糾弾したい気分になっていた自信がある。
特に今年の新型肺炎事情でたくさんの情報に触れ、何が正しいのか分からないときがありました。恐怖本能に支配されそうなときも事実を基づいて世界を正しく見ることを心がけたいですね。

また筆者は世界は一気に変えることはできず、少しずつ一歩ずつしか変えることはできないと述べている。ネガティブなニュースだけを見て、そこから状況は改善傾向になるかもしれないのに、最初の情報だけで満足してしまうのは正しい世界の見方ができているとは言えないのです。

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