『大統領の陰謀』(1976/アメリカ)
2018年に『ペンタゴン・ペーパーズ』、2019年に『新聞記者』を観ました。どっちも大好きです。
権力の不正と腐敗に立ち向かうサスペンスドラマとしても面白いし、前者は実話であり、後者は実話ベースの話である。
さて、もっと昔の映画でそういうのはないのかと探したら『大統領の陰謀』を見つけました。
『ペンタゴン・ペーパーズ』と同じくニクソン政権の闇に対してワシントン・ポストのジャーナリストが取材する話ですが、時系列的にはその直後の話になる。
時期はニクソン大統領が二期目の選挙に臨むというところで、ウォータゲート事件が発生する。キナ臭さを感じたワシントン・ポストの記者は情熱のまま、他の新聞社が手をつけようとしない権力の闇に挑むという話です。
正直当時のアメリカ社会に詳しくないので、人名も分からないし、ピンとこない部分はありました。
ただ普遍的なところでいえば、仕事に対する情熱って大事だなと思いました。彼らはジャーナリストですけど、他の業界でいえば「ヤバイ案件」に手を出しているわけですよね。
権力によって命の危険も脅かされるような超ヤバイ案件です。やることによる成長はあるかもしれないけど、命かけてまでやりたいか?と思っちゃったんですけど、主人公の記者は2時間ずっと情熱に突き動かされていたので、ただただ感心しました。また上司も上司で大変理解のある上司で良かったです。
で、ニクソン政権のスキャンダル記事を出すんですけど、ニクソン政権から「事実無根だ」と手厳しい反論と非難がきます。世論からもワシントン・ポストはバッシングを受けます。これって炎上案件状態になっていると思うんですけど、主人公の上司は慌てることなく、「たくさん批判がきているな」と事実を客観的に受け止めて、部下に冷静に指示を出します。この上司はマインドフルネスができているなと感心しました。
ちょっと当時のアメリカ社会が分かっていないために、感心するポイントが違うのかもしれませんが、そこが印象に残りました。権力にもみ消されそうな案件も情熱があれば、協力者もどこからか現れたりして、何とかなることもあるのだなと思う映画でした。
面白さ:(★★★★★★★☆☆☆)
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