『フィードバック入門』(中原淳)

フィードバックをしたり、受けたことはありますか。
受けるばっかりの人、気づいたらやる立場だけどやり方が分かっていない人。いろんな人がいると思います。本書は職場のフィードバックに特化した入門本です。

フィードバックについて学んだことはあるか?

本書によるとフィードバックとは「耳の痛いことを含めて、部下の現在の仕事の様子・状況をしっかりと伝え、彼らの成長を立て直すこと」です。
そのなかで「情報通知」「立て直し」の2つの働きかけを通じて、成果の上がらない部下を成長させることを指すそうです。

「情報通知」はティーチング、「立て直し」はコーチングの手法に近いそうです。
一時期の日本企業ではコーチング最強説が蔓延していたそうですが、経験が浅い部下にはそれだけだと通用しません。もちろんティーチングだけでも不十分です。両方を組み合わせて効果的なフィードバックを行う手法について書かれている良本です。

具体的にいうとフィードバックは以下のフローで行うようです。


【事前準備】フィードバックをする前に情報収集を行う

【実践】フィードバックをする
①信頼感の確保 ~雑談等で、相手から信頼感を得る
②事実通知~鏡のように情報を通知する
③問題行動の腹落とし~対話を通して、現状と目標のギャップを明確にする
④振り返り支援~真の原因を突き止め、未来の行動計画をつくる
⑤期待通知~自己効力感を高める

【事後フォロー】事後にフォローアップする

以後、フィードバックを行うときは意識してやりたいと思います。

多種多様なフィードバックパターンも網羅!

とはいっても実際にフィードバックをやるとなると、いろんなタイプの部下がいてフロー通りに行えない場合がありますよね。でもこの本のいいところは、いろんなタイプの部下を紹介して、「このパターンはこう対応せよ」と書いてあることですね。

地蔵タイプ、逆ギレタイプ、勝手にまるっとまとめてしまうタイプ…、この他のタイプはいないんじゃないかってぐらいまとめているので、何がきてもOKかなって思えます。

本書は管理職が部下にフィードバックを行うための本であり、その逆の関係性については書かれていません。ですが、部下の方もフィードバックの手法を理解しておくと、ちょっと耳の痛いことを言われてもすんなり受け止めることができるのではないでしょうか。

少なくとも感情に任せて指摘されるよりも、冷静に時間をとってフィードバックして成長を促してくれることは今の時代に正しいと思いますし、それがスタンダートになってほしいなと思いました!

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