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なんの為の面接?

 ずっと思っていることがある。もう何年も思っている事である。介護の面接に来くれば、ほぼ百%の確率で雇用している。
 人手不足とよく言われている世の中だが、やる気のない人、自己中で勝手な人、仕事ができると思いこんでいる人など仕事にするのに適さない人がいるのです。
 それらを見極めるのが面接だと思うのだが、人手不足という理由からなのか、来るもの拒まずで何でも受け入れているように見えるのだ。介護は人員換算もあり、人を確保しなければ運営できないのもわかるが、適さない人、伸びしろのない人を雇うと現場には負担しか残らないのだ。
 人がいるのに大変さは変わらないという現象がおきてしまう。更に真面目に働いている人は逆に負担が増す事がある。私はそれを何度も実感してきている。
 もう十年以上前になるのだが、デイサービスの主任をしていたとき、やはり人手不足で募集をかけていた。常勤として勤務できる人材が一人ほしい時であった。そして、何人もの履歴書が送られてきたり、電話があったりしていた。
 私は会社から相談を受け、履歴書を確認した。そして、複数の中から面接してみても良いかもしれないと私が思ったのはたったの一人だった。
 会社は人手が欲しくて、「この人は?この人はどう?」と複数勧めてくるのだが、私には納得できる人が見当たらなくて断ったのだ。結局面接したのは私が選んだ一人だけだった。
 私が履歴書を見て大切だと思うところは経歴の部分。経歴が素晴らしければ良いというものではないが、経歴はその人の顔だと思っている。経歴をどう書いているか、書き方や文字の雰囲気からどういう人なのか、どんな働き方をしてきたのかを想像したり、本当に経歴通りの人なのか、経歴はなくても伸びしろが感じられる場合もある。私はそういうところを自分なりに読み取って、期待と不安と五分五分の人を面接してみたのだ。
 社長と二人で面接をすると、予想通り雇うか断るか迷う人材であった。面接後、社長に「どうする?」と言われ、私も迷ってはいたが、話の中にどうも気になることがありそれが引っ掛かっていた。そして私は社長に「迷っているのであれば、断りましょう!」と伝えた。
 確かに雇えば現場は少し忙しさも緩和される。そう思ったのだが、もし不安な部分が的中すれば、逆に新たな問題が起きて余計な手間が増える可能性もある。それをまとめるのが自分の仕事かもしれない。しかし、もし自分に力がなければ今の結束力のある現場が崩れてしまう可能性もあると、デメリットが上回ってしまった。
 今、同じ状況であればまた違う判断になっているかもしれないが、当時の未熟な私のレベルでの判断はそうなってしまった。何が正解なのかはわからないが、来るもの拒まずではなく、人選をするのが面接だと思っている。
 勤務年数が長ければ経験者だと安易に判断し責任者として雇用した結果、現場がグチャグチャになってしまったところを知っている。書類選考、面接をしっかりと行い、判断すべきである。結果的に不利益被るのは利用者様なのだから。
 
 

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