「ブチ破れ、冷笑!」HLAB 2024 Board Introduction #11 Hikaru Adachi
2024年8月に行われる予定のHLAB サマースクールを中心となって運営していく学生メンバー(ボードメンバー)の、サマースクールや運営に携わる思いをお届けする「HLAB 2024 Board Introduction」。
今回は、HLAB 2024の開催地域「TOKYO」の実行委員長、足立暉さんにお話を聞いてきました。
リベンジ
ーあなたが過去の経験を経て、東京委員長になった理由はなんですか?
HLABには、運営委員の大学生の中でもより中心となってサマースクールの準備活動を進める「ボードメンバー」というポジションがあります(サークルの幹部のようなものと思ってもらうと、イメージしやすいかもしれません)。実は、僕は学部2年生の時にもHLABの活動に携わり、その際もボードを務めていました。当時の他のボードメンバーに対しては、今振り返っても尊敬と感謝が尽きません。団体の目指すべき未来を語り、チームの人々の心に火を灯すことに長けている人。目の前のやるべきことを、迅速に完了させていく人。抜群に人当たりがよく、話し合いの根回しが上手な人。話し相手を安心させ、丁度いい塩梅に悩みを引き出し、時には相手に考えることを促す人。パッションと行動力に満ち溢れている人。それに引き換え僕といえば、目の前の大量の情報とやるべきことに翻弄され、気づけばイベントが終わっていたというような有様でした。
高校生参加者として実際に体感したHLABの価値に僕自身が共感しているものの、今年再び運営委員に時間を割くことにした最も大きな理由は、自分の中で過去を精算したいからです。そう考えてみると、再び僕を歓迎してくれたこの団体は懐が深いなとも思いますし、これを読むあなたの良いところを引き出して提供価値の最大化に繋げていく土壌がきっとあるでしょう。
大学での学部選択
ーHLAB 2024全体のVisionのように、あなたが自分の未来を切り開いて、灯した経験/瞬間は何ですか?
大学での学部選択です。僕の所属する大学のカリキュラムは、学部の1・2年次に文理を横断した一般的な教養科目を幅広く履修し、学部3年次に専攻するコースを選ぶ仕組みでした。元々僕は文系の括りで大学に入学していたのですが、1・2年生の時に受講した講義での経験から、3年生からは理系の所属に進学しました。その結果、今日に至るまで大変なこともあったのは否めないのですが、文字通り高校生の時は1ミリも想像もしていなかった大学生活になったと感じています。当時の自分では思いも及ばないような未来を引き寄せ、現在に至るまで影響している意思決定だったという点で、「自分の未来を切り開いて、灯した経験/瞬間」だったと捉えられるかもしれません。HLAB2024が、関わる全ての人にとって、少なからずそうした体験になることを願っています。
ブチ破れ、冷笑
ー今年のリーダーシップ・プログラムのテーマとして「より熱くてより強い、最初の場を作る」とありますが、あなたが作りたい「最初の場」はどんな場所ですか?
タイパ、丁寧な暮らし、論破カルチャー。ありとあらゆるところに冷笑が浸透し、気づけば自らが規定した他者の視線に、勝手にがんじがらめになっていませんか。もっとダサさが、不器用さが、正しくなさが、アツさがあってもいいじゃないかと、この狭い部屋から叫びたい。そしてこの響きに少しでも呼応する部分があるあなたと、話がしたい。喧々諤々の議論をして、いつもよりちょっとだけ青臭くあれる場所を共につくっていきたい。それが僕のつくりたい「最初の場」です。
実験室
ーあなたにとって、HLABは何ですか?
HLABのホームページを覗いてみると、教育領域における社会実験という考えが、この団体名の”ラボ”の部分に込められていることが分かります。
新たな教育の形を日本で実現するための実験の場(ラボ)になって貰えればという思いが込められています。
HLABと僕の関係は、この「実験」というキーワードを補助線にして捉え直すことができると最近感じています。というのも、僕にとってHLABとは、自分発信の様々な取り組みに対するフィードバックを受け取る場所という意識が今はあるからです。フィードバックの対象は、アイデアや何かしらの成果物だけでなく、日々のコミュニケーションの取り方や話の進め方といったものまで多岐に渡ります。こうして僕自身が日々実験をできているのは、チーム共通で目指す一つのゴールの下で、相互に誠実なコミュニケーションを取ることが心掛けられている環境だからかもしれません。これから応募していただく皆さんにとっても、活動を通して自分自身の輪郭に対する何かしらの気づきがあると確信しています。
社会への価値還元の志向
ーこれから応募してきてくれる運営委員と一緒に、どんなHLAB 2024 サマースクールを作り上げたいですか?
サマースクールというイベントは、関わる人々それぞれに対してあらゆる表情を持ちます。参加していただく高校生に対しての顔。運営に携わる大学生に対しての顔。ゲストとして関わっていただく社会人に対しての顔。これらは細かくみると、各個人一人一人に対して挙げられ、その一つ一つにおいて、僕たちのつくり上げたいサマースクール像があり、考え尽くしていくべきです。
とはいえ、ここではその中でも特に社会に対する顔を意識したいです。格差による機会の不平等や、日本全体で見た国際的なプレゼンスの推移など、ともすると人によっては手触り感のないものの、頻繁に叫ばれる社会問題は数多くあります。それらの解決を志す手段として、社会に与えられるインパクトの面でも、このサマースクールという活動が最適解だとは言えないことは明らかかもしれません。しかし、活動を通して社会に対して少しでもポジティブな影響を与えることができればと考えていることに偽りはありません。そしてそれを、僕たち大学生の青臭い熱量を関わる人々に伝播させ、特にサマースクールという一つの物語を体感してもらうことで参加高校生の生きるエンジンをもっともっと吹かしていくことで達成できればという思いがあります。
HLABの原点たる東京開催のサマースクールであるからこそ、社会に対するまなざしをチームで共に持ち続けます。これを読んだあなたは、どんなサマースクールをつくり上げたいですか?是非、僕と一緒に考え、議論していきましょう。
あなた自身の手で確かめてみて
ー応募を考えている人にメッセージをお願いします
HLABに関わる人間は特別だとか、HLABでしかできない経験があるとは僕個人的には思っていません。現代の学生の周りには、ありとあらゆる情報が溢れて、様々な機会へアクセスする障壁が下げられており、自分自身でリスクを引き受けて何かに挑戦することも積極的に応援される時代です。しかしながら、一つだけ確かなことは、このコミュニティは人材の還元率が非常に高いということです。サマースクールに参加した高校生が大学生運営委員になったり、運営委員だった人が社会人となってイベントのゲストを務めたりそれぞれの範囲で寄付をしたりと、還元のあり方は多様です。
こうした人材のサイクルの背景には、関わった人々を惹きつける”名状しがたい何か”があるのではないでしょうか。もしかすると、その何かは、手垢のついたありふれた言葉のつぎはぎで客観的に説明されうるものかもしれません。ただ、これから関わるあなた自身が、体験するであろう物語を通して感じとるものは、そのいずれにもピタリと当てはまるものではないはずです。
学生という限られた時間を何に割くかに頭を悩ます人は少なくありません。
人々を魅了するものが果たしてなんなのかを、あなたのその貴重な時間を投資して、あなた自身の手で確かめてみませんか?私たちに賭けてくれたら、きっと想像以上の発見と驚きがあることを、そして、それ自体をあなたと共につくり上げていきたいと僕が切望していることを、お約束します。
ご応募、心よりお待ちしています!
HLABは、寮生活とリベラル・アーツ教育を通じて、人々が常に身近なロールモデルから刺激を受ける革新的な学びの体験や空間、そして持続的なコミュニティをデザインしています。
学生向けプログラム「リーダーシップ・プログラム」では、高校生に人生が変わる体験を届けることをゴールとし、プロジェクトの一員として、高校生を対象としたサマースクール等の企画運営に携わっていただく学生のみなさんを募集しています。
「HLAB 2024 リーダーシップ・プログラム」の応募期間は、
2024年1月22日〜2月11日です。
ご応募お待ちしております。
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