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SHIMOKITA COLLEGEのプログラム「キャップストーン・プロジェクト編」

2021年8月1日(日)に北沢タウンホールにて、SHIMOKITA COLLEGE(以下カレッジ)の卒業式を実施しました。本記事は、卒業したカレッジ生によるキャップストーン・プロジェクトの発表の様子をご紹介します。

キャップストーン・プロジェクトとは

SHIMOKITA COLLEGEを卒業するカレッジ生が、HLAB カレッジ・プログラムの総仕上げとして、カレッジでの体験を振り返りまとめる企画です。

卒業するカレッジ生は、卒業式で各々スライドを交えて全体の前で発表する機会が設けられ、カレッジ生活で印象に残っている瞬間やカレッジで得られた学び、そしてカレッジを卒業した後取り組むことなどを自由に話します。

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発表で使用したスライドの例

ここからは、卒業生によるキャップストーン・プロジェクトをいくつかご紹介していきます。

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酒井駿さん(0期生・Duke University)

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カレッジ生活で印象に残っている瞬間

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酒井さんは、0期生が入居した初日に投稿されたガイダンスの写真を紹介しながら話を始めました。初日はまだ入居をしていなかった酒井さんがカレッジ第1日目のガイダンスの様子を、パソコンでワクワクしながらみていると、ソーシャルディスタンスをとっていることから距離感があり、参加者の表情がとても真剣な様子だったことから、とても心配したことがとても印象に残っているとのことでした。

なぜ印象に残っているかというと、今やカレッジには70人ほど人がいると思うのですが、その全員がお互いの顔と名前を知っていて一度は話したことがある、その関係性が本当にすごいことだと思っていて、だからこそ初日の緊張感がある様子を映した写真が面白いなと思います。本当にカレッジもこの6ヶ月間で変わったなと思っています。今ではみんな楽しそうに仲良くしていて、最初に心配する必要は全然なかったなと思います(笑)。

カレッジでの学びや気づき

酒井さんはカレッジでの生活を通して、今まで自分では気づかなかった自分の大切にしていることに気づいたそうです。

人とお互いの興味について知り合うこと、将来について話すこと、目の前の悩みについて相談することを、自分は思っていた以上に大切にしているんだなと思いました。僕が大切にしているこれらのことに、もっと時間を割けなかったことは心残りではあるんですけど、学びは生かすものだと思っていて、9月から大学の寮に入ってからは、これらのことを意識して4年間過ごしていきたいと思います。

これから取り組むこと

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酒井さんは、カレッジのコミュニティに対して貢献することとして、短期的には、みんなと繋がっていられる何かを作りたいと語っています。

とても抽象的で具体的には何も無いのですが、僕はみんなと出会えたことは何かの縁だと思っていて、これからもなんらかの形でみんなと関わり続けたいと思っています。どのようにコミュニティを作っていけるか考えていきたいです。

長期的には、違う寮に入って感じたことをお互いに話したいとのことです。

僕もこれから新しい寮に入ってカレッジとの違いなど、感じることはたくさんあると思います。僕と同じく、SHIMOKITA COLLEGEでの生活を経て新しい寮生活を始める人や、SHIMOKITA COLLEGEに残る人もいます。
いつの日か、みんなで集まって寮の違いで感じたことやアメリカの寮に行ってみて思ったことを語ることができれば面白いのではと思います。

そして、最後をこのように締めました。

僕は、アメリカで育ったため15年間日本に住むことができなくて、1年間初めて日本に住むことができておかげでいい一年になりました。

中野かりんさん(1期生・Swarthmore College)

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カレッジ生活での印象的な瞬間

中野さんは一番印象に残っている経験として、リベラルアーツセミナーを挙げました。中野さんは中学生から高校1年生くらいの頃はリーダーシップを取ることや、自分の考えを書いたり発信したりすることが好きで続けてきたのですが、高校2・3年生くらいになって周りの人が考えていることが気になって、リーダーシップを取ったり自分の考えを発信したりすることができなくなってしまってしまいました。そのモヤモヤは大学に入学し、SHIMOKITA COLLEGEに入っても続いていました。

しかし、4ヶ月間カレッジで過ごして、変化がありました。その一つの大きなきっかけになったのが、リベラルアーツセミナーでした。

180分のセミナーを自分から手を上げてやり遂げたことが自分にとって一つ大きな瞬間でした。大学の教育学の授業で学んだことをセミナーに盛り込んで、セミナーに来てくれたみんなの前ではっきり言語化して話すということは単純に聞こえるかもしれませんが、高校生の頃からの私を一つ乗り越えるきっかけになり、自分にとって大きな意味があったと思います。企画することや自分の意見を伝えることって楽しいとカレッジに来て心から思えたことが本当に嬉しかったです。

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カレッジで得られた学び

中野さんは、当初自分は寮生活に向いていないと思っていたと話しています。

カレッジへの応募エッセイで、「アメリカの大学でこんな留学生活を送っていて寮生活ってすごく良いと思うんです」と書いたのですが、面接の後の感触がすごく悪くて、「カレッジ入れないかもしれない」とすごく落ち込みました。なんでそんな感触が悪かったんだろうと考えてみると、自分の本音ではなかったと、その時はじめて気づきました。
振り返ってみると、アメリカの大学での寮生活では、人との距離感の取り方がわからなくて人を遠ざけて寂しい時間を送ったり、逆に頑張ってみんなと関わりを築こうとしてキャパオーバーになったりしており、寮生活が自分に向いていないんじゃないかと思っていました。だから、去年の12月からカレッジを知っていたけれど、最初は入りませんでした(笑)。

しかし、カレッジでの生活を通して、徐々に自分なりに寮生活を充実させる方法を見つけることができました。

「カレッジに入って何をしたいか」というエッセイ課題の中で、自分が本当に伝えたかったのは、「寮生活を自分なりに充実する方法を模索したいということだった」と気づきました。実際に4ヶ月間住んで、私でも楽しい寮生活が送れるんだと感動しました。もちろん、最初からうまく行くことはなくて、色々詰めすぎてキャパオーバーになったこともありました。だけど、そういう時に本気で気遣ってくれる人たちがたくさんいて、安心感を持って、一緒に住んでいる人たちとの距離感を模索できたことは大きかったかなと思います。

カレッジ卒業後に取り組むこと

カレッジを卒業して大学に戻った後は、まずはカレッジでの経験を生かして寮生活を満喫したいとのことです。

短期的には、寮生活を楽しみたいというのは自分の中で大きくあります。自分にとって、アメリカでの寮生活はあんまり楽しめなかったなと思う一年半だったので、残りの一年半はカレッジで得た経験を忘れずに自分なりに大学生活を送りたいなと思っています。

また、カレッジは、大学卒業後にどうするかだけではなく、「自分がこのあとどうやって生きていきたいんだろうか」「何を大事に生きていきたいんだろうか」と考え直すきっかけとなりました。

カレッジに入ってきた時は、自分の中に固まった価値観があったんですけど、ここに入ってきていろんな職業している方や色んな価値観やこだわりを持って生きている人がすごくたくさんいて、自分の持ってきたものがガラガラと崩れていきました。
「自分ってどうしたいんだろう」「自分は何が大事なんだろう」とすごく色々考え直すきっかけになって、モヤモヤした時期もありました。でも、そういうモヤモヤもぶつけられる人たちがたくさんいて、ぶつければみんな真摯に向き合ってくれて、みんなの生き方をたくさん共有してくれたりすることで、新しく自分の中で価値観が出来上がってきて、やっぱりやりたいことやろうと思えたことがすごく大きかったのかなと思います。具体的には、教育に関わる仕事をしたいなと思います。

最後に感謝の言葉を伝えました。

みんなと出会えたことに感謝しています。カレッジは、私が安心して自分が成長できるなと思えるような場に4ヶ月経ってなったと思うので、本当はもっと居続けたいのですが、ここら辺で卒業して次に行くのが良いのかなと思っています(笑)。

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難波拓人さん(0期生・Colorado College)

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カレッジ生活で印象に残っている瞬間

難波さんは、カレッジが開業直後のいろんな人との距離感が近かった頃が楽しかったと話しています。

まだカレッジが大きくなる前に、僕が思っていた以上に社会人の方やコーディネーターの方とお話しする機会がすごく多くて、世代や職種、立場の違いがあってもフラットに話せる環境があったことはすごく楽しかったなと思います。

カレッジで得られた学び

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難波さんはカレッジに入学した当初から、何か自分の創作作品をアウトプットできるようになりたいと考えていました。そして、SHIMOKITA COLLEGEのイベントの中で自分の映像を発表できたことが一番印象残っているとのことでした。

先日、下北線路街・空き地で行われたneo縁日で、初めて自分の映像を公の場に出しました。自分はエッセイにも書いたように、小田急さんやUDSさんとコラボして自分の創作作品をアウトプットとして社会に出すような場を持ちたいと考えていました。昨年の12月から、授業がある時もずっと映像制作をやっていて、色んな人に相談した結果、こうやって表に出たことはすごく嬉しかったです。

また、自分が熱意を持って一歩を踏み出すことが文化に育っていく経験がとても有意義だったと語ります。

このようなことがカレッジでは沢山起きていました。例えば、ボードゲームです。最初、ボードゲームがしたい人がボードゲームをするというだけだったのですが、自分がいろんな人を誘っているうちにどんどんボードゲームをする人が沢山増えて、いつしかクラブ活動になり、最終的にはカレッジに「クラブ活動」の文化ができました。
このように、この8ヶ月で文化ができてそこに人が集まってその熱量が継続していくという体験を沢山してきました。誰かの熱量に人が集まって楽しいことをするという経験を沢山積ませてもらい、とても有意義な時間でした。他人の熱量に人が集まっていく瞬間を沢山みてきてすごく良い場だと感じた8ヶ月でした。

これからについて

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自分が大事に思っていること、伝えたいと思ったことを押し通すだけではなく、みんなと一緒に作っていきながらよりシャープな自分を作っていきたいなと思います。

僕にとってのカレッジでの8ヶ月は、誰かと一緒にものごとを作る場としても楽しかったし、自分にとってモノを作る時にどのような気持ちで取り組めばいいのか考える良い時間になったと思います。

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卒業するカレッジ生の発表に、見送るカレッジ生も熱心に聞き入り、また多くの笑いや拍手が起こる発表となりました。あらためて、みなさんおめでとうございました!

SHIMOKITA COLLEGEのInstagramではカレッジでの生活の様子やイベント情報なども随時更新しているので、ぜひご覧ください!



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