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【THE HOUSE体験談】前編 「学びに、より貪欲になった」(神戸大学・服部 稜也)

2016年秋に中目黒でオープンしたTHE HOUSE by HLAB。多様な高校生、大学生および社会人が集う「学び合い」の場、レジデンシャル・カレッジ(居住型教育機関)のプロトタイプとして運営されてきました。今回は2回にわたってTHE HOUSEでの生活の様子を住民のみなさんに寄稿してもらいました。

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最初に寄稿してくれた住民はこの方。

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服部稜也(Hattori Ryoya)
1998年京都府生まれ。2016年神戸大学法学部に進学。国内法と国際政治を幅広く学ぶ。2018年、2019年にHLAB TOKUSHIMAで大学生運営委員を務め、2019年秋よりインターンとしてHLABに携わる。

閉塞感を打ち破るためにTHE HOUSEへ

2018年から2019年の2年間、大学生運営委員としてHLABのサマースクールに参加し、他者と寝食をともにするなかで偶発的に生まれる気づきや学びの力を目の当たりにしました。例えば、たまたま朝食の席が隣になった医学系に興味を持つ高校生と話したときには、より多くの人の命を救うためには制度整備などの政治的アプローチと医療技術の発展などの技術的アプローチをどう組み合わせるべきかを議論し、お互いに新たな気づきを得ました。これらの経験を通して、レジデンシャル教育に興味を持つようになりました。

また、入居するときには神戸での一人暮らしの際に感じていた閉塞感を打破したいという気持ちもありました。大学での講義もほとんどないなか、日常生活がホテルのバーでのアルバイトといきつけのバーで完結していました。同僚・上司やお客さん、一緒にバーで話す常連さんなど、話をする人のほとんどが二回り以上歳上という環境で過ごしていました。歳上の方から話を聞いて得たものの多くは、受動的な学びで、相互に知識や意見を持ち寄りながら新たな気づきを生み出していくという能動的な学びではありませんでした。そのため、自分を省みる、戻る場所のようなものがない感覚を持っていました。そして、等身大の自分を知るために、同年代と話すことも大事だと考えるようになりました。

そこで、神戸から東京へと引っ越すときに、レジデンシャル教育を長期的に実現しようとしているTHE HOUSE by HLABに住民として参加しようと、入居を決めました。THE HOUSEには何度か遊びに訪れたことがあり、そのときに同年代の住民と交流が実現されているという印象を受けました。THE HOUSEに住むことを通じて、同年代の人から気づき、学びを得ていきたいと思いました。

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ほどよい距離感に感じる心地よさ

空間を共有しながら、ほどよく関わり、ほどよくそれぞれのことをやってるという距離感が家族のそれに似ていると感じて、気に入っています。まさに、時間を共有しているという感覚です。例えば、帰ったら誰かがリビングにいて、一緒に料理をつくる、Netflixでドラマをみる、ゲームをして遊ぶ、勉強をするなどしています。

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もちろん、日常生活をしていると生活スタイルや考え方の違いからストレスに感じることがあるのは事実です。食器をすぐに洗わず放置するとかですね。でも、そのストレスと向き合ったり、改善していこうとしたりするなかで、自分で解決できることと、他者を巻き込まないと解決できないことの線引きをする機会が増え、自分と他者の領域の境界についての認識が深まりました。

何気ない話から深い話へと会話が広がっていくこともTHE HOUSEの魅力です。先日、日常の会話からお互いのキャリアの話を住民の3人でしていました。そこでは、ベンチャー企業に就職する学生の描くキャリアと歯学部に通う学生の描くキャリアの違いや、そもそもキャリアを考える上で前提とされていることの違いについてなどを話しました。お互いが過ごしてきた環境や目指す方向が違うからこそ、会話するなかで生まれる気づきがあるんだなと強く印象に残っています。このように自然発生的に深い話ができるので、自分と向き合う機会が多くあります。

THE HOUSEで得た学びとこれから

THE HOUSEに住んだことで以前よりも学びに対して貪欲になりました。THE HOUSEでは一緒に空間と時間を共有しているので、他の住民のみんなが頑張っている、熱を入れている姿を目にすることも多いです。例えば、卒論に向けて毎日分厚い専門書や論文を読み込んでいる人や、最近習い始めたハープの自主練習をしている人がいたり。そういった姿を見て、他の住民がなにをやっているのか、どうしてそれがおもしろいのか、に興味が湧くようになりました。詳しく話を聞いたり、文献として参照している本を読ませてもらったりすることで、住民の「興味のアンテナ」を借りていろんなことを学んでいます。そのおかげで、THE HOUSEの外でも他者に対してより関心を寄せるようになりました。

これからも、貪欲にTHE HOUSEでの生活で気づきや学びを得ていきたいし、いずれは与えられる存在にもなれたらいいなと思っています。

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以上、服部稜也さんへのインタビューでした。後編、飯田梓さんのインタビュー記事はこちらからお読みいただけます。

THE HOUSE by HLABのこれから

THE HOUSE by HLABでは2020年4月より「レジデンシャル・ラボ」プログラムを開始しています。このプログラムはHLABが今までつちかってきた教育プログラムのノウハウを基にして、HLABスタッフと住民とで次世代の居住型教育を共創していく、居住型の教育プログラムです。現在、レジデンシャル・ラボの第2期生を募集しています。

詳しくはHPをご覧ください。みなさまのご応募をお待ちしています。

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