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第1回ボーダレス・ジャパン×SHIMOKITA COLLEGEイベント開催報告

2021年5月25日(火)に、株式会社ボーダレス・ジャパン取締役副社長の鈴木雅剛さまをお招きし、ボーダレス・ジャパンとSHIMOKITA COLLEGEの共同プログラムのキックオフと題したトークセッションを開催しました。
*COVID-19感染拡大防止の観点から対面とオンラインとのハイブリッド開催としました。

本イベントは、
1. 鈴木さまによるボーダレスジャパンの取り組みの紹介
2. カレッジ生との対話セッション
3. 鈴木さまと高田とのトークセッション

の全3部構成で行われました。

登壇者ご紹介


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鈴木 雅剛(株式会社ボーダレス・ジャパン代表取締役副社長)

1979年生まれ。山口県出身。2007年、貧困、差別・偏見、 環境問題等の社会問題を解決する「ソーシャルビジネス」 しかやらない会社として、田口一成(同社代表取締役社長)と共に株式会社ボーダレス・ジャパンを創業。国内・ 海外を問わず、 社会問題を解決したいという強い志を持つ社会起業家を生み出し、 互いの資金・人材・事業ノウハウを共有することで、 社会インパクトの最速最大化を推し進める「社会起業家のプラットフォーム」として、 次々とソーシャルビジネスを生み出している。 2021年6月時点で、15カ国41事業を展開。

<プロフィール詳細>


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高田 修太(株式会社エイチラボ取締役/一般社団法人HLAB理事)

HLAB共同創設者。東京大学工学部、同院工学系研究科修了。イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校にて学生研究員として滞在。在学中、2011年にHLABを設立、以降各地サマースクールの立ち上げに携わる。大学院修了後はBoston Consulting Groupにて主に通信・デジタル関連、ビッグデータ関連の経営戦略策定をコンサルタントとして支援。2017年、非営利組織での経験とビジネス両方のバックグラウンドを活かし、HLABに復帰。2019年より一般社団法人HLAB理事。

ボーダレス・ジャパンとは

1200px-株式会社ボーダレス・ジャパン

ボーダレス・ジャパンは、「ソーシャル・ビジネスで世界を変える」ことを目指し、社会起業家が集うプラットフォームカンパニーとして2007年設立。現在、貧困・環境問題など社会問題の壁を超える41の事業を世界15ヶ国で展開中。2020年度の売上高は55億円を超える。

ボーダレス・ジャパンの取り組み

鈴木さまには、「持続可能な社会の実現へ」〜社会課題解決のためのビジネスのあり方とは〜というテーマで、ボーダレス・ジャパンの取り組みについてご紹介いただきました。

最初に、ミャンマーの農村部の貧しい小規模農家を支援し、年間売上8億円の人気ハーブティーのハーブ栽培農家へと変えたケースを例に、ボーダレス・ジャパンがビジネスを通じてどのように社会問題にアプローチしているかお話しいただきました。

「いまご紹介した農家さんたちのように、ビジネスでは儲からないと捉えられる、非効率的な産業や人は”置いてけぼり”な社会になっています。先ほどのリンレイ村も本当に僻地かつ、個々の農家さんも少規模なため、農家さんたちと一緒に頑張ろうという大きなメーカーはまずありません。なぜなら、やっていたらコストがかかるからです。そのため、このような農家さんたちは置いてけぼりになりやすいです。私たちはこのように非効率的であるがゆえに取り残された人々や状況のことを”社会課題”と捉えています」

また、社会課題の解決を基点に物事を考え始め、その手段としてビジネスモデルを考えるというソーシャルビジネス特有のアプローチや、グループ各社の余剰利益を共有し新たなソーシャルビジネスを生み出す「恩送り経営」といったボーダレス・ジャパン独自の経営方法についてお話しいただきました。

「あくまでも社会課題を解決する目的のためにビジネスというツールを使います。社会課題をどういう方法で解決しようかというソリューションを先に設定をし、その上でどんなビジネスを作るかという順番でやります」
「”巻き込む”という言葉は支援をするという一方通行のワードではありません。彼らができることで頑張る、僕らができることで頑張る、共にそれを持ち寄って頑張る。結果としてみんながハッピーになれる。この状態をいかに作れるかが重要なポイントです」

"巻き込む"というキーワードが非常に印象的でした。非効率とされることも巻き込んで新たなビジネスを生み出し、ボーダレス・グループ内での人材や知見の共有を通して、サステナブルに運営していくビジネスモデルであると実感しました。

カレッジ生との対話セッション

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カレッジ生から鈴木さまへ、多くの質問が寄せられました。

小野さん「ソーシャルセクターに漠然と興味があります。しかし、興味はあるけどジャンルが決まっていない、興味はあるけど一歩踏み出せない時にどんなことをすればいいでしょうか。逆に可能性を広げるためにどんなことをすればいいのか教えていただきたいです。」
鈴木さま「やりたいことって、ないんですよ。自分の頭の中でやりたいことを導き出そうとしても出てきません。やりたいことは、人との相互関係性の中で出来上がっていくものだと思います。結局、一番最初から”俺これやりたいんだ”と思うものはまずないと思ってとりかかった方がいいです。やりたいことになりそうなことを見出すためには、ジャスト・アクションだと思います(笑)」
峰島さん「個人的に日本の教育制度が失敗を許さない社会をつくり出しているのだと思ったので、鈴木さんのお話に共感できました」
鈴木さま「皆さん、失敗していいですからね。むしろ失敗した方がいいです。"自分でやるぞ"と言い訳をしないと決めてやらない限り、本当の失敗は経験できません。結局、人は弱いから言い訳をつけてしまいます。”学生だから”、”まだスキルが高くないから”などと言い訳をしてしまうのは、プライドが邪魔しているからですし、逃げているだけなんですよね。
その状況を超えていくには、単純に今目の前のことを一つ一つ真剣勝負、全身全霊で取り組む。そしてうまくいくか、いかないかを繰り返しながら、経験を積んで、”自分はこれがやりたい”と本当に言える人になれればと思います」

高田のコメント

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「もともとボーダレス・ジャパンさんの大ファンで、いつもお話を聞くたびに背筋がすごく伸びます。僕だったら、意思決定に悩んでしまうだろうなということを鈴木さんはサラッと簡単に仰っていて、感銘を受けました。今まさに、カレッジ生の中には社会人で転職を考えていたり、大学生でも就活を控えている世代の人たちもいるので、そういったメンバーにとっては刺激になったと思います。本当にありがとうございました!」

参加したカレッジ生の声

参加してくれたカレッジ生は、鈴木さまのお話や質疑応答を通して、多くの学びを得たようです。会後のアンケートではこのような声がありました。

「"やりたいことが見つからない時にどうすればよいか?"というカレッジ生の質問に対する答えが特に腹落ちしました。また、"何かを決める時に当人が決定に参与していないと打ち込めない"のではという問いに対し、”何らかの形で参与させようとする”という話も勉強になりました」
「ビジネスのあり方を変える」この理念を掲げ、ボーダレスジャパンさんが事業一つ一つを通して、社会課題にどう取り組んでいるかが大変印象的でした」
「自分にとって新しい分野について深く知れたことによって、自分の将来のキャリアにできる新しい選択肢を与えてくれました」

おわりに

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鈴木さまのお話にカレッジ生も熱心に聞き入っていました。ビジネスで社会課題を解決することへの情熱や、カレッジ生の質問への真摯な受け答え、たいへん学び深い時間でした。ありがとうございました!

今後も、SHIMOKITA COLLEGEでは、ボーダレス・ジャパンとの共同プロジェクトを実施していく予定です。

このように、HLABのSHIMOKITA COLLEGEでは、さまざまな価値観や経験を持った方々をお呼びして、カレッジ生が多様な学びや進路に触れられる場をもてるようなプログラムを用意しております。

また、以下のSHIMOKITA COLLEGEのSNSにて、プログラムやイベントのアップデートをしていきますので、ぜひフォローしてくださいね。

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