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アンカーにマーク付けないでいいの?(8月29日フロンターレ対エスパルス戦<1>)

フロンターレ、グランパスに負けて連勝が止まり、ヴィッセルに引き分けた後のエスパルス戦。ここで負けたり引き分けたりするとこの先どうなるかわからない。その意味で大事な試合だった。そしてこの試合、待ちに待った中村憲剛の復活の試合でもあった。

大幅なスタメンの入れ替え

試合前の最大の明るいニュースが中村憲剛の復帰。痛々しいほど疲れていた脇坂を完全に休ませてサブに入った。

それと、齋藤学が先発。

三笘薫が最近素晴らしい出来を見せているが、その進化は後半にインパクトプレイヤーとして入ったときに発揮される。この試合は、やはりドリブル突破力の高い齋藤を先発させることで、90分間エスパルスに圧力をかけようというスタメンだった。

スタメン

かみ合わせてみるとこんな感じ

スタメン かみ合わせ

写真で見るとこの通り。前半3分くらい。エスパルスがラインを高く上げているので非常にコンパクトになっている。

スタメンのマッチアップ


4-1-2-3対4-2-3-1

戦術図および写真を見ればわかるとおり、フロンターレは今年の基本形を崩してない。4-1-2-3。エスパルスも今年の基本形、4-2-3-1。いかにも現代サッカーらしいマッチアップで試合が始まった(もともと4-2-3-1に対抗するために4-1-2-3が生まれたことを考えると、フォーメーションだけ見ると攻撃面ではフロンターレの方が有利なかみ合わせといえるかもしれない。詳細は次回に)。

自分的なチェックポイントは、「相手はフロンターレのアンカーにどう対処しようとするのか」と言うこと。日本でこのマッチアップになると、多くのチームがワントップとトップ下をアンカーに当てる。しかし、この試合のエスパルスは、マークするでもなく、スペース使おうとするでもなく、アンカーに好きにさせていた。

先ほどの前半3分の写真をよく見ると、ボールホルダーの山村の正面にいる守田がノーマークなのがわかる。

前半の守田へのマーキング


これは後半13分。まだ2-0の時。エスパルスの立場からすると、きちんと守らなければいけない時間だが、ボールを持っているアンカーにもチェックがなく、守田は3つのパスコースを使えている。

守田からのパスコース


エスパルスの守備は最終ラインを高く保ち、また両ウイングも左右いっぱいに張る。ウィングは守備時にはハーフスペースを埋める。ポジショニングの考え方は非常に近代的だ。

けれど、アンカーにマークを付けないと、フロンターレはボールを自由に回せる。「エスパルスはきちんと対策を考えたのだろうか?」と疑問を持った。なので、快勝したとはいえ、フロンターレ復調という確信は持てない試合でもあった。その判断には水曜日のヴィッセル戦を待つ必要があるだろう。

将来の心配はともかく、この試合、フロンターレは4-1-2-3の力を遺憾なく示すことになる(続く)


齋藤学、躍動(写真)

この試合、7本のシュートを放った齋藤のシュート写真。決めたかったな・・・・。

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普段、プレーをD500+300mmf4E/PFで撮り、全体写真をスマホで撮るのだけれど、この試合は、全体写真用に58mmf1.4Gを付けたD810を持って行った。フォーメーションの見やすさが全然違う。さすが3600万画素だけあって、拡大すれば背番号もはっきり読み取れる。次から二台持ちかな。重いけど。