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スポーツ写真を始めよう<5>:15-20万円から始める場合

2回前には「10万円から始めるスポーツ写真」のための機材を紹介しました。今日はもう一つ上、15-20万円のレンジを紹介します。

写真を撮るときにはカメラボディ(以下ボディと略します)とレンズが必要で、この両者の組み合わせはいくらでもあります。前々回の10万円コースを基本に、15-20万円かけたらどんな機材が手に入るでしょうか。

 実は、20万円で、D7500(ボディ)+AF-P DX NIKKOR 70-300mm F4.5-6.3G ED VR(レンズ)の両方とも1ランク上の機材にするのは難しいです。ここではボディか、レンズのどちらかをグレードアップすることを考えます。

1ランク上のボディ:D500

 まずボディですが、D7500以上の機種は、DX(ニコンではAPS-CのことをDXフォーマットといいます)フォーマットのフラッグシップ、D500しかありません。D500は、画素数は2088万画素でD7500と同じですが、プロ用フラッグシップ機のD5と同じオートフォーカスユニットを搭載し、毎秒10コマ、高速記憶メディアを使用すれば20秒間の連写が可能な、スポーツなどの動体撮影に特化したカメラです。私もスポーツ撮影のメインにはこれを使っています。

 気になるお値段は新品で213000円(ヨドバシカメラ)、中古で13万円程度です(マップカメラ美品の場合)。これとAF-P DX NIKKOR 70-300mm F4.5-6.3G ED VRを組み合わせた場合なら、合計で15万円をやや上回る程度になります。

 では、1ランク上のレンズはどのようなものになるでしょうか。前回説明したように、レンズの値段は「開放F値」でだいたい決まります。だとすれば、もう1ランク上のレンズは、もっと「開放F値」の小さい、明るいレンズということになります。

レンズは70-200mmf4に

 ただ、現実には、300mmをカバーするレンズで、AF-P DX NIKKOR 70-300mm F4.5-6.3G ED VRより1ランク上といいきれるレンズだと、ボディをD7200にしたとしても、合計で20万円に収まるレンズはありません。

 ただし、望遠端を300mmではなく200mmにするならあります。実際、鳥栖の駅前不動産スタジアムや秩父宮ラグビー場のように、陸上トラックのないスタジアムで、前の方の席から撮影する、という前提だと、300mmは必要ありません。APS-C機であれば、200mmまでのズームレンズでも十分足ります。

実際、↓は秩父宮の前の方の座席から70-200mmのズームレンズで撮ったものです。

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このように、200mmで十分、という環境であれば、AF-S NIKKOR 70-200mm F4 G ED VRがおすすめになります。

 値段は中古で63000円弱なので、D500と組み合わせてもちょうど20万円くらいで済みます。

 10万円コースでおすすめした70-300mmとの違いは、まず望遠端が200mmでとどまること、そしてもう一つは、開放F値がF4で、1.3段明るいということです。

 「1段明るい」というのは、取り込める光の量が倍になるということなので、この場合、70-300mm F4.5-6.3の2倍以上の光を取り込めることになります。

 具体的には、同じシャッター速度(例えば1/1000秒)でISO12800だったときに、ISO5000程度に落とせるとか、あるいは同じISO3200でもシャッター速度を1/500秒から1/1250秒まで早くできるといった違いがあります。この違いは、夜間はもちろん、曇り空や夕方のような光が落ちてくる環境で大きく効いてきます。

 このように、200mmで十分ということであれば、ボディとレンズの両方のグレードを上げることができます。

 しかし、300mmを見据えて行くと20万円に収めるのは難しいです。次回はもう1ランク上、25-30万円コースを紹介します。


(続く)

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